<男子ゴルフ:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇最終日◇15日◇静岡・太平洋C御殿場C(7246ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)
今野康晴(36=森インベスト)が、通算13アンダー275で今季初勝利、約4年ぶりのツアー通算7勝目を挙げた。前日に日没サスペンデッドになった第3ラウンドの残りホールを消化し、2位に3打差で最終ラウンドを迎え、腰に痛みを抱えつつも逃げ切った。11日に結婚記念日を迎えた崇乃子(そのこ)夫人(36)と、先月に他界した義母にささげる勝利だった。
今野がやっと勝った。05年12月日本シリーズJT杯以来、故障の影響などで勝ち星から遠ざかっていた。「長かった。その間に何度もプレーオフ負けがあったし」。昨年の本大会では片山に、今年8月バナH杯KBCでは池田に、10月日本オープンでは石川を交えた3人プレーオフで小田龍に敗れた。「プレーオフ通算6戦全敗」という珍記録を持つ。それが、今回は絶好のタイミングで、勝負強さを披露した。
大会前の9日、夫人への結婚10周年記念プレゼントを買いに行ったが、いい物が見つからない上に、帰路の高速道路で壁に当たって愛車レクサスが破損。本人は無事も、修理代が約500万円かかりそうで、廃車&新車購入を覚悟した。「買うなら白のBMWがいい」と話していたところ、大会会場に来てびっくり。18番に優勝副賞の白いニューBMW740iが飾ってある。さらに夫人からはプレゼントは「物ではなく優勝で」と要求された。それを見事に射止めた。
実は日本オープン開幕5日前の10月10日、夫人の母である河路芳江さんが肝硬変のため、64歳で亡くなった。同じ千葉県内に住み、3人の孫の面倒をよく見てもらい、試合会場へ応援にも来てくれた義母に勝利をささげたかった。その日本オープンは「優勝を意識して気持ちが先走って」自滅。今季中にウイニングボールを仏壇に供えるという誓いを、約1カ月後のこの日に達成したのだ。
この日も体調は万全ではなかった。最終ラウンド開始前は、前日に痛めた左腰の治療を受け、痛み止めの薬も使った。「体が心配で、余計なことは考えなかった」。第3ラウンドの勝負どころでパットが決まり、貯金ができたのと、「けがの功名」で気負いと無縁だったのも勝因だった。【岡田美奈】

