<米女子ゴルフ:全英リコー女子オープン>◇2日目◇30日◇英・ロイヤルバークデールGC(6458ヤード、パー72)◇賞金総額250万ドル(約2億2500万円)

 【サウスポート(英国)=田口潤】初日は日本人最高の16位だった上田桃子(24=ソニー)が、「大人のゴルフ」で上位進出に望みをつなげた。2日目は1イーグル、1バーディー、1ボギーの70とスコアを2つ伸ばし、通算2アンダーの142。6月の全米女子プロ選手権でメジャーで初めて予選落ちすると、3週前の全米女子オープンも連続で予選落ち。今大会は「焦らない」「メジャーはパーが最高のスコア」と自分に言い聞かせ、冷静なプレーでスコアを伸ばした。横峯さくら(24)は通算1オーバー、宮里藍(25)は同2オーバーで2日目を終えた。

 どんよりとした曇り空の下で、桃子の笑顔が久しぶりにはじけた。イーブンパーで迎えた最終18番パー5。ピンまで約10メートルのグリーン奥カラーからパターで直接カップにねじ込んでイーグルを奪った。初日に続き、今大会2度目のイーグル。上田は喜びのあまり、ひざまずいて、右の拳を4度も握った。

 日本人トップの16位で迎えた2日目。終盤まではほぼ無風の絶好の条件だったが、思うようにスコアは伸びない。前半は1バーディー、1ボギー、後半も17番までパーを重ねた。不調の続く今季は、イライラを募らせては自滅するパターンだったが、この日は辛抱強く、最後のチャンスを待った。「入ってくれてすっきりした。我慢していた分のご褒美がもらえた」と会心のプレーを振り返った。

 前週のエビアンマスターズでの経験がいきた。予選ラウンドで、昨年の全英優勝者マシュー(英国)と回った。メジャー覇者の40歳は、ボギーをたたこうが、プレーが遅れようが、淡々と冷静にプレーしていた。「自分にないものを見せてもらった」と歴戦のベテランの態度に感銘。今週のテーマに「焦らない」を掲げ、1打1打に集中した。

 6月の全米女子プロ選手権、3週前の全米女子オープンとメジャーでは連続予選落ちした。屈辱にまみれたが「メジャーではパーが最高のスコア」と考えをあらためた。強風とありのままの自然という、厳しいコースの全英で「イケイケ」スタイルを封印し、2日目までの好スコアにつなげている。

 今大会で復活したい理由もある。1月に右ひざ痛が発生。昨年から契約する伊藤久トレーナーと二人三脚で患部の周囲を鍛え、現在は痛みが消えた。支えになってくれた同トレーナーの長女多音ちゃんが31日に1歳の誕生日を迎える。「難しいところでボギーを打っても焦らない。欲を出さない。我慢強く、忍耐力です」。上田は最後まで「大人のゴルフ」を貫き、メジャー上位進出を狙う。