<男子ゴルフ:フジサンケイクラシック>◇最終日◇5日◇山梨・富士桜CC(7405ヤード、パー71)◇賞金総額1億1000万円(優勝2200万円)

 「遼・峻」時代の幕開けだ。新人の薗田峻輔(20=フリー)が、あと1歩で今季2勝目を逃した。67で回り、通算9アンダーの275としたが、最終18番で石川遼(18)に追いつかれ、プレーオフ(PO)の4ホール目で力尽きた。15番と18番の2度の強運プレーは生かせなかったが、今季3度目の2位。6月のミズノよみうりクラシックでの初優勝後も快進撃が続いている。試合後は堂々と来年のマスターズ出場を目標に掲げた。

 あと1歩で夢は完ぺきなエンディングを迎えるはずだった。PO4ホール目、1メートルのパーパットがカップに蹴られ、薗田は後輩との激闘に敗れた。「僕の中では、この対決は夢。そして、そこで勝つことを夢に描いてきた。自滅に終わったのは本当に悔しい」。POで入れれば勝ちのバーディーパットをすべて外していた。「ストレスがあって強く打ちすぎた」と唇をかんだ。

 強運を生かせなかった。15番パー5のバンカーからの第3打、“ホームラン”した球が、テレビ中継ブースに当たり、グリーンに戻ってきた。18番パー4では、ラフからの第4打がピンフラッグに当たって真下に落ちる、ゴルフ漫画顔負けの「旗包み」で1メートルに落ちてボギーに抑えた。「なければ2・5メートルはオーバーしていた」(薗田)。石川に1打リードして18ホール終了直後も「(石川に)入れてこいという気持ち。(POは)僕も臨むところと思っていた」と強気だった。

 08年に明大に進学しながら、昨年プロ転向を決めたのは、石川の活躍があったから。優勝した大会のビデオを夜通し見て、「おれも…」と焦りが募ったという。新人の今年はツアー5戦目で初優勝を挙げ、今回で2位も3度。「自信はついている」。遠くなった後輩の背中は、確実に近くに感じている。

 新たな目標は石川と2人で来年のマスターズに出場すること。予選落ちした7月全英オープンでは、最終日に会場に行き「またメジャーに来たい」と心底感じたという。マスターズの出場権は、年末時点での世界ランク50位以内が必要。現在は152位。「今日の結果でまた上がる」と気持ちを高ぶらせる。「僕ら2人で上を目指す。盛り上げていきたい。遼にもリベンジしないと」。若武者2人で、新時代を築いていく。【阿部健吾】