日本女子ツアーを世界一のツアーにする。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は16日の定期総会で、小林浩美新会長(48)を承認する。97年から14年間、女子ゴルフ界を支えた樋口久子前会長(65)から大役を引き継ぐ。日刊スポーツのインタビューに応じた史上最年少48歳の新会長は日本人選手に対し、米国、韓国選手と「ガチンコ勝負」でツアーを盛り上げることを厳命。規模、内容ともに世界一のツアーにすることを宣言した。

 晴れの就任が迫る中、史上最年少48歳の新会長の頭には、女子ツアー発展へのプランがあふれている。

 小林新会長

 ゴルフを見る人の目は肥えています。ファンは内容の濃い試合を望んでいるし、いい試合が感動を呼ぶ。

 昨季は34試合中、韓国選手の15勝を含め、外国人選手が半分の17勝を挙げた。テレビ中継の平均視聴率は(関東地区、ビデオリサーチ調べ)1・2%減の7・1%。入場者数も約5万人も減った。今季もアジア中心に多数の外国人選手が襲来する。

 小林

 厳しい環境の中で、日本人選手がガチンコ勝負で外国人選手に肩を並べていかないといけない。ガーンと戦って、バチバチバチッとやって、日本人選手が勝ったり、外国人選手が勝ったりと、張り合っていくことが面白いツアーなんです。外からどんどん入ってくるのは時代の流れで仕方ないし、門戸を狭めて守りに入るつもりはない。強い人にもまれて、自分の力を上げていくしかない。

 日本人選手のレベルアップのため、米ツアーのような環境整備にも力を入れるつもりだ。

 小林

 もっと選手の才能を高めるための環境をつくりたい。米国は国土が広いので山岳、リンクス、砂漠などゴルフ場のバリエーションも多い。芝質も多様で、状況に応じバーディー合戦、耐えるゴルフと使い分ける。日本選手にも多様な条件でプレーさせたい。環境が人を育てると思うので。

 米ツアーは4日間大会が多い。3日間大会の多い日本ツアーの選手より、体力、精神面はタフだ。将来的には国内メジャーなど5試合だけの4日間大会を増やすプランもある。

 小林

 3日と4日では、体力、集中力の持ち方は全然違う。強い人を育てるためには、日々の経験と積み重ねが必要だから。

 ツアーとしても攻めの姿勢を鮮明にする。

 小林

 これだけ日本ツアーで韓国選手が活躍しているし、市場は国内だけではない。芸能界も韓国から少女時代、KARAが来る時代。向こうから来るのなら、こっちも積極的に打って出ないと。テレビ放送をさらに充実させれば、現地のスポンサーも興味を持つかもしれない。韓国だけでなく、中国、マレーシア、シンガポールにも市場がある。米ツアーにも一緒に戦った人がいるし、普通に話せるから、連携していきます。

 昨年12月のLPGA総会で会長に選出されたとき「取りえは笑うことなので笑顔で頑張る」と誓った。トレードマークの笑顔は米ツアーで学んだ。89年に年間6勝を挙げて90年から米ツアーに挑んだ。だが1年目は予選落ちの日々。その後3年間も勝てなかった。

 小林

 ゴルフのない世界に行きたいくらい悩んだ。言葉も話せず、ストレスもたまるし。そのとき、ある本を読んだら「朝、鏡を見たら笑いなさい」と書いてあった。すごい暗い顔をしていたけど、毎日ニッと笑うことにした。そうすると気持ちは明るくなって、頑張ろうと。そこからプレーも楽しくなった。

 スイング改造の成果もあり、米ツアー4年目の93年JALビッグアップルツアーで優勝した。明るい笑顔で挫折を乗り越えた成功体験は、会長としても生かしていく。

 小林

 米ツアーを質量とも逆転して、世界一を目指します。キャハハッ(笑い)。

 48歳の新会長が、女子ツアーに新風を吹き込む。(田口潤、塩畑大輔)