<男子ゴルフ:つるやオープン>◇最終日◇22日◇兵庫・山の原GC山の原C(6767ヤード、パー71)◇賞金総額1億1000万円(優勝2200万円)

 藤田寛之(42=葛城GC)が逆転で今季初優勝、ツアー通算12勝目を挙げた。3打差2位から出て4バーディー、ボギーなしの67で回り、通算15アンダーの269で、2位李京勲(20)に4打差をつけた。継続中の記録としては最長の5シーズン連続勝利も決めて「スキがないゴルフだった」と自画自賛。唯一の4日間60台を続け「最強アラフォー」の底力を見せた。

 終わってみれば、余裕の勝利だった。5番で8メートルを沈めるバーディーで単独首位に立った藤田は、安定感抜群のプレーで2位との差を広げた。

 風雨が強い難条件の中、パーオン失敗は16番だけ。ただ1人4日間60台を続け、4打差をつける圧勝に「どこにもスキがない、非常に強いゴルフだった」と自画自賛した。

 6月で43歳になる。先週の開幕戦前には前立腺炎を発症し「老化ですよ」と苦笑するが、心も技も衰えはない。08年からの連続シーズン勝利も、継続中の記録としては最長の5年へ伸びた。「08年より今の自分の方が全然強い。今日より明日の方がうまくなってなきゃいけないでしょ。向上心がある限り成長できる」と力説する。

 気力の源は、ファンの存在だ。「会場やフェイスブックで『お前が頑張るから、オレも頑張れる』という声を聞くと、優勝するよりうれしい。見ている人に何かを感じてもらえれば、プロゴルファーとしている意味がある」とうなずいた。

 2年前は今大会を制して翌年のマスターズ初出場へ弾みをつけた。「縁起いいですね。マスターズのことを思えば、頑張れる」。当面の目標は、現在87位と、日本人では54位石川に次ぐ2番手の世界ランクを50位内に上げること。世界のトップ50に入っていれば、夢舞台の切符はおのずと手に入る。【木村有三】