<米女子ゴルフ:カナダ女子オープン>◇最終日◇26日◇バンクーバー郊外コキトラム、バンクーバーGC(パー72)

 韓国系ニュージーランド人のリディア・コ(15)が通算13アンダーの275で同ツアー史上最年少優勝を飾った。通算8アンダー首位で出ると、4連続を含む7バーディー、2ボギーの67をマーク。2位の朴仁妃(韓国)に3打差をつける独走だった。15歳4カ月での優勝はレキシー・トンプソン(米国)の16歳7カ月の最年少優勝記録を塗り替え、同ツアーでのアマ選手の優勝も43年ぶりとなった。

 最終18番だけは、15歳の少女に戻った。優勝を意識し、緊張したコは第2打をグリーン奥のラフに入れた。アプローチも6メートルを残した。パーパットも1メートルほどショート。「最後のホールは興奮してしまいました」。最後のボギーパットを沈めて優勝を決めると、同組の世界2位ステーシー・ルイス(米国)や申ジエ(韓国)らの祝福ウオーターシャワーを浴びた。スタンドは総立ち。ギャラリーの大拍手を受け「勝てるとは…信じられない」。やっと無邪気な笑顔が見られた。

 2位に1打差をつけて迎えた最終日。プロがグリーンで苦戦する状況だったが、2番パー4で第2打をピン60センチにつけてバーディーを奪取。7番パー3ではアプローチでミスしたが、ボギーでとどめた。ここでチェラ・チョイに通算9アンダーで並ばれたが、ここから一気に突っ走った。10番パー5でピン8メートルに2オンさせてバーディーを奪うと11番ではピン2・5メートル、12番も2・5メートル、13番もピン2メートルにつけて4連続バーディー。プロ顔負けの好ショット連発で2位に4打差をつけ、独走していった。

 ハウスキャディーのブライアン・アレクサンダー氏とのコンビも抜群だった。「途中でラインが読めなくなった」とグリーン上で何度も同氏を頼った。コは「助けられた。『ラインを読み間違えてごめん』とも言われたり。ありがたかった」と感謝。同氏は「最年少の勝者と一緒にいられて楽しかった。私は彼女の読みを『それでいい』と言っただけ」と絶賛した。

 スポンサー推薦で9月の日本ツアーのオファーを受けたが、日程が重なる世界アマに出場する意向。コは「まだ日本に行ったことがないので、いつか日本の試合にも出てみたい」と意欲をみせた。今年1月、石川遼が持つ15歳8カ月の最年少プロ大会優勝記録を塗り替え、今月は全米女子アマも制覇。今度は米ツアーの最年少記録を大幅に更新した。

 多くの勲章を手にしたコだが、大学卒業まではプロ転向しない意向だ。「賞金はほしいなあと思いますが、もらえないのは当然。お金目的で出たわけではないので。いずれプロになったら勝ち続けたい」。自らの未来を想像し、眼鏡の奥にある目を輝かせていた。<リディア・コ

 アラカルト>

 ◆生まれ、サイズ

 1997年4月24日、韓国生まれ。身長172・7センチ。

 ◆競技歴

 5歳でゴルフを始め、6歳でニュージーランド移住。12歳で10年ニュージーランド女子オープン7位。翌年の同オープン4位。11年ニュージーランドアマ制覇。今年1月にオーストラリアアマ制覇。

 ◆プロ初V

 今年1月、14歳9カ月の世界最年少でビングリー・サムスンNSW女子オープンV。

 ◆メジャー

 今年6月の全米女子オープンで39位に入ってローアマを獲得。

 ◆オヤジ好き?

 34歳の韓流スター、ソ・ジソプの大ファン。全米女子アマで母ティナさんから「優勝したら会わせてあげる」と言われ発奮!?

 したとか。

 ◆将来は?

 現在、高校1年生。ニュージーランドの高校を卒業後、米スタンフォード大に進学を希望。

 ◆言葉

 英語と韓国語。