<男子ゴルフ・ワンアジアツアー共同主管試合:インドネシア・プロ選手権>◇第3日◇30日◇インドネシア・エメラルダGC(7198ヤード、パー72)◇賞金総額8707万円(優勝賞金1567万2600円)

 池田勇太(27=日清食品)が“選手会長初V”を射程内に捉えた。向きが読みにくい強風が吹く難しい状況の中、5バーディー、ノーボギーの67をマーク。首位と1打差の通算14アンダー202の2位につけた。池田と同じく67を出した横尾要(40)が、同15アンダーの単独首位に立った。

 15番パー4。池田は難しい下りスライスラインを読み切り、ど真ん中から5メートルのバーディーパットを決めた。「完璧だろ?

 もう一度打てったって、今のは打てんぜ」。どや顔で右手を上げ、引き連れたギャラリーの声援に応えた。

 前日まで適用されていた、フェアウエー上のボールは拾って泥を拭いてよいというルール「プリファードライ」が解除された。「午前中は下が軟らかかったから、泥がついちゃってることもあったよ。でも状況に柔軟に対応するのが、プロのお仕事ってもんでしょ」。向きが変わる強風にも、多彩なショットで対応した。完全優勝した昨年10月キヤノン・オープン第1日以来となる、ノーボギーでまとめた。

 久々に優勝を狙える位置で最終日を迎える。「でもさ、絶好調かっていうと、まだ疑問が残るんだよね。福田キャディーも言うんだけど、よく頑張ってまとめているって感じかな」。選手会長業が多忙を極め、疲れもたまっている。練習時間もなかなかとれない。

 それでも優勝争いに加わるのは、予選落ちして大会を盛り上げられなかった、先々週のタイ・オープンの轍(てつ)を踏みたくない一心からだ。「明日はこっちのギャラリーにも、優勝争いを楽しんでもらうよ」。遠い異国でも、最終日を“勇太祭り”にする。【塩畑大輔】