<米男子ゴルフ:シェル・ヒューストンオープン>◇第2日◇29日◇米テキサス州ハンブル、レッドストーンGC(7457ヤード、パー72)◇賞金総額620万ドル(約5億8900万円)優勝111万6000ドル(約1億602万円)

 石川遼(21=フリー)が“ゴルフの祭典”を特別視しないことを明かした。この日は3バーディー、3ボギーの72。133位発進の出遅れを取り戻せず、通算5オーバーの117位と今季出場9戦で6度目の予選落ちを喫した。次戦はマスターズ(4月11日開幕、オーガスタナショナルGC)だが「特別な意識は半減しています」。意気込みすぎず、今季メジャー初戦に挑む。

 いよいよ次戦はマスターズ、シーズン序盤の大一番だ。世界中のゴルファーが憧れる「ゴルフの祭典」。ただし、石川の思いは昨年までとちょっと違う。

 「マスターズというトーナメントに対する特別な思いはもちろんある。ただ、今まで『世界一のコースはオーガスタ』と思っていたのが、米ツアーでいろんなコースを知るうちに、そうじゃなくなってきた」

 今年で5年連続出場という慣れから来る言葉ではない。米ツアーメンバー1年生の今季は、目標が違う。最優先課題は「最高でも、最低でも来季の賞金シードの獲得」。だからこそ「1シーズン戦っていく中の1試合にすぎないというか…。少し言い過ぎだけど(特別な思いは)半減ぐらいです」と語った。

 大きなことを言える立場ではない。この日は133位スタートからの巻き返しを狙ったが、3バーディー、3ボギーの72。今季9戦で6度目の予選落ちとなった。いいところなく終わった大会の敗因に、ショットの不調を挙げる。「参考にならない(ぐらい悪かった)。最高で10、普通で5なら、3ぐらい」と言うほどのひどさ。その背景に「蓄積されていくもの」として、5週連続出場の疲労があったことを認めた。

 来週はオーガスタに先乗りして、最終調整に入る。「試合がないのは大きい。とにかく体を休めて、しっかり打ち込んで、エネルギーを蓄えたい」。意気込みすぎず、平常心で-。不調をかこったシーズン序盤を気持ちの上でリセット、オーガスタのティーグラウンドに立つ。【加藤裕一】