<米男子ゴルフ:全米プロ選手権>◇第2日◇9日◇米ニューヨーク州ロチェスター、オークヒルCC(7163ヤード、パー70)

 石川遼(21=CASIO)は3バーディー、4ボギーの71とスコアを落としたが、通算イーブンパーはホールアウト時点で31位と、予選通過が確実な位置につけた。ティーショットが左右にぶれる苦しい展開。だが精度の高いアイアンで何とかカバーした。

 終盤の8番パー4。石川はピン手前6メートルからのバーディーパットをねじ込み、通算イーブンパーに戻した。続く最終9番パー4では、30ヤードのアプローチを1メートルに寄せてパーセーブ。しぶとく予選通過を引き寄せると、右腰のあたりで2度、小さくガッツポーズした。

 この日はウッドが乱れ、我慢の展開になった。前半は右、後半は左と曲がり、フェアウエーキープわずか4回。林やラフから、アイアンで巧みなリカバリーショットをみせたが、4つボギーを重ねてしまった。

 逆手から順手に変えたパットも、完全に復調したとは言い難かった。フェアウエーキープ率55・72%は全体の165位。1・5メートル以内のパット成功率93・83%は同186位。今季を通しての課題が、このラウンドでも浮き彫りになった。

 それでも何とかスコアをまとめられるのは、アイアンの精度の高さゆえだ。今季からキャロウェイ社製に切り替えた各番手は、ここに来てしっくりと手になじみ出している。出だしの11番パー3では、第1打をピン左50センチにピタリ。パー3の今季通算スコア3オーバーは、全体52位。125~150ヤードからのパーオン率78・48%は同7位と、数字にも切れ味は表れている。

 「飛距離がない分、アイアンでは他人より遠くから、他人より近くにつけないと戦えない」と自分に言い聞かせる。来季シード圏内のフェデックスポイント125位まで、現在の158位からは、今大会単独4位相当の大きな差がある。来週の最終戦ウィンダム選手権に望みをつなぐため、今季最後の海外メジャーに、ここまでの苦闘の中で得た収穫すべてをぶつける。【加藤裕一】