<女子ゴルフ:マンシングウェア東海クラシック>◇第2日◇21日◇愛知・新南愛知CC美浜C(6399ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 横峯さくら(27=エプソン)がノーボギーの66の猛チャージで、通算10アンダーの首位タイに浮上した。8月中旬に連続予選通過のツアー記録が101試合で止まり、重圧から解放され、調子も上昇。09年は今大会の優勝から史上最大差の逆転賞金女王となった。今季2勝目で、再び奇跡の幕を開ける。

 強気のタッチで、横峯がバーディーを量産した。「いつもショートしちゃうので。きょうは強めに打てました」。10番は6メートル、11番は10メートル、15番は6メートル、16番は7メートル。後半の4バーディーは全部ミドル、ロングパットを決めた。2日連続ノーボギーでの66は、よみがえった自信の表れだ。

 すべてはドライバーにあった。「左に行かなくなった。右に曲がるのは想定内。でも、曲がりが両方に出るとトラブルになるので」。典型的なフェードヒッターがコースマネジメントを考えてドローも求めた今季、球筋が乱れた。左方向を狙い、右に戻るイメージの球が左に抜ける。再びフェード1本にして、落ち着いたのは先週の日本女子プロ。「距離は200ヤードでいい。第2打の距離が残ってもいい。そう思うようにした。そうすると不思議と距離も落ちなくて」と笑った。

 重圧からの解放も、復調を後押しする。8月中旬のNEC軽井沢72で、ツアー記録の連続予選通過記録が101で止まった。「ショックも半分あったけど、すごくホッとした。楽になった。いかに記録に縛られていたかわかりました」。

 現在賞金ランク8位。1位森田との差は3470万1667円だが、残り11戦で逆転圏内だ。09年は1位諸見里と4389万7868円差で今大会を迎えて優勝。それを起爆剤にして、ツアー史上最大の大逆転賞金女王になった。首位で迎える最終日。「(優勝は)目の前なので」と笑う。今季2勝目、ツアー通算20勝目が、2度目の奇跡のプロローグになる。【加藤裕一】

 ◆横峯が勝てば

 ツアー通算20勝は12人目で、到達時年齢は「27歳283日」となり、不動裕理の「26歳314日」に次ぐ2番目の年少記録。また生涯獲得賞金は9億448万1872円で史上3人目の9億円台突破となり、福嶋晃子の9億251万1483円を抜き、不動の13億1186万1747円に次ぐ2位に浮上する。