<女子ゴルフ:ミヤギテレビ杯ダンロップ女子>◇最終日◇29日◇宮城・利府GC(6498ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝賞金1260万円)

 宮里藍(28=サントリー)が、目前の優勝を逃した。首位に3打差の6位から出て、14番までに7バーディーを奪い、通算7アンダーで独走状態。2位のイ・ナリ(25=韓国)に4打差をつけたが、15番でダブルボギー、17番でボギーをたたくまさかの失速でイに逆転を許し、同4アンダーの2位に終わった。

 「あ~、もったいなかったですね」。宮里が悔しさを押し殺した。

 2位に4打差の独走状態で迎えた15番パー3。思い入れのある大会で優勝に手が届く。そう考えたとき、心にスキができた。「グリーンの前にスコアボードがあった。4打差と分かって集中力が途切れて、緩んでしまった」。グリーン右のカラーから8メートルをパターで打って2メートルもショート。パーパットは右を抜けて1・5メートルオーバー。返しは左を抜け、まさかの「4パット」でダブルボギーだ。

 3打差を追ってのスタート。14番までは見事な集中力を見せた。8番から3連続バーディー。10番では7メートルのパットを決めるなど、計7バーディーを奪った。

 「内容がすごくいいゴルフだったので、半分以上は満足。ゴルフは怖い。勉強になりました」。東北高での3年間を過ごした仙台近郊で、1万人を超えるギャラリーから大声援を受けた。高校3年だった10年前にアマチュアで初優勝した大会。4季ぶりの国内ツアー優勝もかかっていた。「そんなにうまくいかない、というのが現実。高校生活、青春時代をこの土地で過ごせて良かった。震災から2年半なのに、たくさんの人が応援してくれた。来週頑張ります」と、来月3日開幕の日本女子オープン選手権(神奈川・相模原GC)での勝利を誓った。【小谷野俊哉】