<米男子ゴルフ:マスターズ>◇第2日◇11日◇米ジョージア州オーガスタナショナルGC(7435ヤード、パー72)◇賞金総額800万ドル(約8億円)優勝賞金144万ドル(約1億4400万円)

 松山英樹(22=LEXUS)が猛追及ばず、海外メジャー6戦目で初の予選落ちに終わった。5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71とスコアを伸ばしたが、第1日で「80」を打ったことが響き、通算7オーバー151の68位で大会から姿を消した。悔しさをバネに、目標の米ツアー優勝、海外メジャー優勝を果たすべく、今季は一時帰国なしでツアー参戦を続ける考えを明かした。

 あきらめなかった。通過ラインに5打差の通算9オーバーで迎えた13番パー5。松山は約30ヤードもフックさせるドライバーショットで距離を稼ぎ、アイアンでピン右7メートルに2オン。2パットでバーディーを挙げた。

 松山

 最初は首位と10打差以内の予選通過を狙っていたけど、B・ワトソンが伸ばしていたので、通過ラインの50位は4オーバーくらいだと切り替えました。

 15番パー5でも残り229ヤードからの第2打を、3番アイアンでピン奥3メートルにピタリ。初の後半パー5バーディー連取に成功し、勢いに乗った。続く16番パー3でも手前4メートルからバーディー。17番パー4で5メートルのバーディーパットが外れ、現実的には通過の可能性は消えた。それでも「18番パー4でイーグルなら」と最後まで勝負を投げなかった。

 スタート前のショット練習では痛みが走ったのか、左手首を押さえて顔をしかめる場面があった。痛み止めのようなものを服用する様子も見られ、いつもに比べてドライバーを打つ数が極端に少なかった。

 フェアウエーキープ率は、前日の100%から64%まで落ちた。強風が吹き、ピン位置も難しいこの日は、アンダーパーが97選手中わずか21人で、平均スコアも74・082。そんな中、課題のパー5でも3バーディーを稼いで「71」をマークした。パット数を前日の39から30に改善した。だが、2日間計69パットは、97人中96位。完全には挽回しきれなかった。

 第1日「80」の絶望的な出遅れや、左手首痛の中でも、粘り強くプレーするのは、やはり「米国で勝てる選手になりたい」という思いゆえだ。米ツアーではルーキーながら、すでにトップ5に2回も入っているが、それでも「これだけ出ていて勝てないんじゃどうしようもない」とこぼす。

 試合後には、今後一時帰国もせず、米ツアー大半の試合に出場する考えを明かした。「次のメジャーに向けてきっちり調整したい」。ツアー26戦ぶり、海外メジャー初の予選落ちの悔しさは、勝利への渇望をよりいっそう強くした。【塩畑大輔】