<女子ゴルフ:伊藤園レディース>◇第1日◇14日◇千葉・グレートアイランドC(6639ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 鈴木愛(20=フリー)が6バーディー、1ボギーの5アンダー67で首位発進した。先週のミズノクラシックでは首位で最終日を迎えながら、体調不良で失速。来週はホームコースでの大王製紙エリエールレディースと、発奮材料が重なる中で絶好のスタートだ。

 鈴木が日本女子プロ選手権覇者の底力を見せた。3アンダーで迎えた17番パー3ではユーティリティーでピン奥3メートルに、18番では残り140ヤードの第2打をカップ右3メートルにつけ、いずれも沈めた。「同組の成田さんが4アンダーだったので、4アンダーでは上がりたいと」。プロ合格同期へのライバル心も生きた。最終2ホールは難関続きで、連続バーディーは鈴木だけ。持ち球がフェードのため、17番では右端のピン位置も「プレッシャーなく」、18番の左の池も「怖くはない」と攻め切った。

 前週は最終日に風邪をひいて、首位から13位に急降下。今週は練習ラウンドをハーフ2回にして、午後を休養に充て、2日前には焼き肉で英気を養った。ドーピング検査があるため、薬ものまず、「他の人が打つ時にせきを我慢しなければならないので」という中での好プレーだった。

 パットの改善も大きい。前日は「1メートルがかすりもしなかった」。その後、パットの様子を映像で撮ってもらうと、重心が後ろ側(かかと側)にかかる悪い時の癖が判明。重心を前足首に置くイメージにしたら、球の転がりがよくなった。2週前に初めてネイルアートを施し、当初はパット時に指先の違和感があったが、それもなじんできた。

 来週は香川・エリエールGCでの開催。プロ入り前にキャディーマスター室やコンペの手伝いなどして働きながら、練習したコースだ。友人ら約30人が応援に来る予定で、以前から「優勝したい」と狙っていた。それがこの日の好発進で、ツアー2勝目を挙げて、堂々の「凱旋(がいせん)試合」とする夢も膨らんできた。【岡田美奈】