<男子ゴルフ:日本シリーズJTカップ>◇第2日◇5日◇東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)◇賞金総額1億3000万円(優勝4000万円)

 石川遼(23=CASIO)が、6バーディー、3ボギーでこの日ベストの67をマークし、通算3アンダー137として、首位と2打差の6位に浮上した。3戦ぶりにプロキャディーを起用。練習器具を使ったフォーム矯正や新パター、新しいウオームアップなど、15年の米ツアーを見据えた取り組みが実りだした。

 10番パー4。石川は大きく曲がる上りフックラインの6メートルを沈め、バーディーを挙げた。「1・5メートルくらい右を向いて打った。後は狙ったところにきっちりボールを出すこと、タッチを合わせることに集中した」。佐藤賢和キャディーと打ち合わせ、ラインを読みきった会心のパットから、後半4バーディー。一気に優勝争いに加わってきた。

 今週はシャフトの長さ37・5インチと「人生で一番長い」パターを投入。ストロークが安定した。さらにグリーンの入念な下調べに定評がある佐藤キャディーを起用したことで、国内屈指の難グリーンでもラインが読めてきた。パット不振にあえいだ先週までの国内4連戦から一転、パターでバーディーが取れだした。

 ショットもたて琴型のフォーム矯正器具を使った練習で、精度と飛距離がともにアップ。6番パー5では残り235ヤード地点から3番アイアンで、ピン手前4メートルに2オンする世界クラスの一打も出た。

 この日石川は、スタート2時間以上前の午前7時過ぎにコース入り。駐車場の一角で縄跳びを始めた。ボクサーのようにステップを踏んだり、二重跳びを繰り返したりと、20分近くも跳び続けた。体を温めるだけでなく、スピード感、リズム感も養う狙い。これも今週からの取り組みだ。

 今週の優勝に向けてだけでなく、来年の米ツアーでも十分戦える態勢が整った。ホールアウト後の練習場。石川は「もっと伸ばせた気がして悔しいのは、それだけゴルフが良くなってるってことかな」とつぶやいた。優勝争いの中で“15年仕様”の完成度をさらに高める。【塩畑大輔】