<米女子ゴルフ:最終予選会>◇7日◇フロリダ州デイトナビーチ、LPGAインターナショナル(ヒルズC=6542ヤード、パー72)

 女子プロゴルファー横峯さくら(28=エプソン)が、来季米ツアーフル参戦を決めた。9位スタートの最終日、2バーディー、5ボギーの75とスコアを落としたが、通算5アンダーの11位で出場権を獲得した。日本ツアー通算23勝の元賞金女王が“受かって当然”の重圧をはねのけた。「30歳で引退」を公言してきた横峯が引退イヤーとなる可能性がある来季、メンタルトレーナーの夫、森川陽太郎さん(33)と二人三脚で大勝負に出る。

 強風が吹き、気温も下がった。第2日に71、第4日に70で回ったヒルズCで、横峯が苦しんだ。前半アウトはパープレーにまとめ、通算8アンダー。ところが、10、14、17番のパー4でボギー。気がつけば、合格のボーダーになっていた通算4アンダーと1打差の5アンダー。しかし、そこから底力を発揮した。

 最終18番パー4。第1打でフェアウエーをキープした。残り170ヤードの第2打をグリーンに乗せ、8メートルのパットを30センチに寄せた。「重圧はあった。パーを拾わないと、と思って、心臓はずっとバクバク。パーパットが1メートルじゃなくて良かった」。11位で得た米ツアーキップに、夫の手を握って喜んだ。

 好敵手の宮里藍と対照的に、横峯は海外進出に消極的だった。だが4月に結婚した夫の森川さんが、世界に目を向けさせてくれた。2月にはインド洋のリゾート地モルディブへ。ゴルフ抜きのバカンスを過ごした。「ほとんどゴルフしか知らないさくらに、世界を知って欲しかった」という夫の心遣いで、海外の苦手意識は薄れた。

 ずっと「結婚して、30歳に引退します」が口癖だった。13日が29歳の誕生日。20日に披露宴を開くタイミングを考えれば、プロ12年目、20代ラストイヤーの来季、新天地が“花道”になる可能性は十分にある。日本で23勝を挙げた横峯は「主人と二人三脚。1勝できるように頑張る」と、米国で完全燃焼するつもりだ。

 ◆米ツアー最終予選会(クオリファイング・トーナメント)

 5日間90ホールストローク競技。上位20位タイまでが来季フル参戦、21位から45位タイまでは試合によって出場できる。日本人は81年森口祐子、89年小林浩美、05年宮里藍がトップ合格。1、2次予選もあるが、横峯は「8月5日時点の世界ランク40位以内」(当時37位)の資格で、最終予選会から出場。