<男子ゴルフ:最終予選会>◇最終日◇10日◇三重・白山ヴィレッジGCクイーンC(7048ヤード、パー72)

 来季の男子ゴルフツアーの出場権を懸けた最終予選会の最終日(6日間競技)が、三重県の白山ヴィレッジGCクイーンCで行われた。今季女子ツアーでブレークした琴乃(22)を姉に持つ香妻陣一朗(20=宮崎レイクサイドGC)がこの日65をマーク。通算14アンダーの14位と41位から大まくりし、上位35人に与えられる来季前半戦大半の出場資格を得た。C・キム(24=米国)が同22アンダーでトップだった。

 香妻が胸を張って、そして笑顔で18番から帰ってきた。最終日に7バーディー、ボギーなしの65フィニッシュ。なんと第5日を終わって通算7アンダー41位から、同14アンダーの14位と大まくりで、来季前半戦のほとんどの試合の出場権をつかんだ。

 第1、2ラウンドで74をたたき同4オーバーと出遅れた。そこから背水の“陣一朗”は、4ラウンドで18アンダーを出した。2つ上の美人プロ姉琴乃は、今季未勝利ながら約4750万円を稼ぎ、賞金ランク19位と大活躍した。一方、弟の香妻は約510万円しか稼げず、同101位と来季の賞金ランクによるシード権を逃し、この最終予選会に懸けるしかなかった。

 今回の受験に際して、姉からラインがきた。「自分を信じてやれば大丈夫」。そんな弟は、10月末のマイナビABC選手権では、マンデー予選からはい上がり、第1日には66を出し首位発進する活躍を見せた。結局41位で終わったが「今回も最初の2日間は出遅れたけど、ツアーの経験も少し積んできて、あと4日ある、と思ってやった」という。まさに自分を信じて108ホールの長丁場を乗り切ったのだ。

 ツアー未勝利の姉弟に、来季の夢が広がった。香妻は「まず賞金シードを目指してやります」と1歩ずつを強調した。【町野直人】

 ◆香妻陣一朗(こうづま・じんいちろう)1994年(平6)7月7日、宮崎県生まれ。宮崎・日章学園時代の12年に日本アマ3位。その年プロ転向、ツアーデビューは昨年つるやオープン。今季は約510万円で賞金ランク101位。165センチ、71キロ。