日本代表の若い力が、19年に日本で開催される次のW杯に向けて爆発した。前半7分、WTB松島幸太朗(22)が左サイドを駆け抜けてトライ。同28分にはWTB藤田慶和(22)がモールからトライした。ともに4年後に26歳となる「日本W杯の星」が、次大会に続くリーグ最終戦で大きな仕事をやってのけた。

 全4試合にWTBとして先発し、負傷による一時退場以外はピッチに立ち続けた松島は「3勝できたことは本当によかったし、ベストは出し尽くした」と話した。南アフリカ戦ではFB五郎丸のトライを「アシスト」するなど抜群の推進力を見せた。守備でも好タックルでチームを救った。

 今大会初出場の藤田は、鮮烈に「W杯デビュー」を飾った。序盤にはSO小野のキックに反応して前線で基点となり、松島のトライにつなげた。W杯初トライも「モールをつくったFWのトライ」と振り返った。

 松島は神奈川・桐蔭学園高から「日本代表で活躍したい」と南アに渡った。英語はほとんど話せなかったが、強豪大学の誘いを断り海を渡った。意識したのは大学でのプレーではなく世界だった。東福岡高から早大に進んだ藤田も、常に世界を意識。大学の枠を飛び出してニュージーランドでプレーした。「目標は大学でのタイトルではない。もっと上です」と話した。

 ともに花園で優勝した高校時代から19年W杯を意識してきた新世代。「4年後はジャパンを引っ張れる選手に成長したい」と藤田が言うように、日本大会の両翼に最短距離にいる。松島は「8強入りできなかったのが残念」と話したが、チャンスは4年後にもある。