ブルガリア出身の元大関で西関脇琴欧洲(31=佐渡ケ嶽)が現役を引退した。20日に、日本相撲協会に引退届を提出した。

 02年九州場所で初土俵を踏んだ琴欧洲は、2メートルを超える長身とレスリング経験を生かした取り口で、当時史上最速の所要11場所で新入幕を果たした。05年九州場所後には欧州出身力士として初の大関に昇進。史上4位の47場所在位した。

 しかし、多くのけがに悩まされ、7度のかど番を経験。左肩の脱臼で途中休場した昨年九州場所で大関から陥落し、今年初場所でも即復帰することはできなかった。今場所も患部が癒えず、2日目から9連敗し、11日目に休場していた。

 琴欧洲は今年1月に日本国籍を取得し、本名を「安藤カロヤン」と変更。年寄名跡は取得していないが、大関経験者は引退後の3年間、現役時のしこ名のまま年寄として協会に残ることができ、今後は「琴欧洲親方」として後進の指導にあたる。