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元若ノ鵬「解雇厳しすぎる」相撲協会提訴

会見後、報道陣に対応する元若ノ鵬(左から2人目)。左は宮田弁護士
会見後、報道陣に対応する元若ノ鵬(左から2人目)。左は宮田弁護士

 元平幕若ノ鵬(20=本名ガグロエフ・ソスラン)が11日、日本相撲協会に対し、解雇処分無効を求め、東京地裁に民事訴訟を起こした。元若ノ鵬は8月18日に大麻取締法違反(所持)で逮捕され、同21日に協会を解雇された。元若ノ鵬側はこれが過去の日本相撲協会の処分に比べて厳しすぎると主張、大相撲復帰への希望を訴えた。一力士が協会を訴えるという、異例の事態になった。

 元若ノ鵬が土俵復帰のため、協会との法廷闘争を選択した。「私、悪いです。裁判、よくない、分かります。でも、相撲に戻るために裁判、やります」。たどたどしい日本語で、復帰への思いを語った。宮田真弁護士は「私たちは処分は厳しかったと思う。過去の例と照らし合わせても、解雇処分は職権の乱用で、無効と考える」と主張した。出場停止などの内部処分ではなく、解雇や除名に関しては裁判で争えることも説明した。

 元若ノ鵬は8日、拘置期限を迎え、処分保留のまま釈放された後、関係者に謝罪して回り、土俵復帰を訴えた。9日に協会で武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)に頭を下げて復帰を訴えたが、即刻却下された。10日には所属した間垣部屋で間垣親方(元横綱2代目若乃花)と面談。裁判を起こすことへの許可を求めたが拒絶された。

 元若ノ鵬はその際、泣きながら「最後のお願いです。まげだけ切ってください」と懇願。その言葉に間垣親方が涙したことを「親方は相撲の決まりがあるから言えないが、本当は戻ってほしいんだ」と思い、迷惑がかかることを承知で裁判を起こすことを決断した。

 宮田弁護士は公務員が大麻取締法違反に問われた例でも、起訴猶予の場合は解雇されていない例を挙げ「ロシアとの感覚の違いもあり、大麻の違法性をこの未熟な若者は理解していなかった」と、現在は反省していることを説明した。その上で「検察が起訴していないのは、再チャレンジへの寛大な処分だと思う。国技である相撲には、更生させる力もあると思う」と話した。

 一方で、仮処分も同時に申請した。ロシア出身の元若ノ鵬は、興行の在留資格で日本に滞在しており、解雇の3カ月後には強制退去となる可能性もある。力士としての地位が認められれば、滞在期間が延長でき、給料も出る。これも、裁判を起こす理由になった。

 宮田弁護士は初犯であることを強調した。だが、元若ノ鵬への処分は過去にも黒星に怒って風呂の棚の破壊、年上の横綱を呼び捨てにするなど、問題行動が積み重なった部分も多い。また、相撲ファンにとっては大麻を使用した力士が神聖な土俵へ上がることへの抵抗感もある。元若ノ鵬は「前相撲、ちゃんこ番からやり直してもいい」と、土俵復帰への情熱を語ったが、違和感は消えない。

 また、日本相撲協会は今回の訴えに関し「訴状を見ていないので、お答えできない」とコメントした。【来田岳彦】

 [2008年9月12日8時58分 紙面から]


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