<大相撲夏場所>◇12日目◇21日◇東京・両国国技館

 かど番の大関千代大海(33)は7敗目を喫し、引退へ後がなくなった。

 自分に対しての怒りなのだろうか。7敗目を喫した千代大海は、取り囲んだ報道陣に「今、どうのこうの言ってもしようがないだろ。下がれ、下がってくれ」と言った。いつもは負けても明快に話すが、その後は一点を見つめるようにして、言葉はなかった。

 相撲生命のがけっぷちに立たされた。史上最多13度目のかど番で負け越せば62場所守った大関から陥落=引退。糖尿病の影響もあって全盛時より16キロも落ちた144キロの体は限界に近い。引き落としで前に落ちたこの日の一番では、左太ももを痛めた。湿布とテーピングで巻き、足を引きずって支度部屋を後にした。

 自分の相撲が取れないもどかしさは、大分の実家の父須藤弘さんも感じた。「一昨日(10日目)の夜、電話が来て。頭から突っ込んでいく自分の相撲で有終の美を飾るつもりで思い切って、と言ったら、本人は『分かった』と言っていましたが、その相撲を取れていない」と声を落とした。

 師匠の九重親方(元横綱千代の富士)は「(負け越しが)決まったわけではないし、見守るだけ。結果が出たらきちんと対応する」と話し、負け越した時点での引退発表もあり得る状況だ。残り3日。厳しい土俵が待っている。【赤坂厚】