元横綱朝青龍関(29=本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ)一家が、近日中に日本で勢ぞろいすることになった。12日に元朝青龍関の父ドルゴルスレンさん(62)と3番目の兄で元新日本のプロレスラー、ブルー・ウルフのセルジブデさん(33)一家が来日するとのことが11日、分かった。すでに母プルブバタムさん(59)は日本で元朝青龍関と同居中。現在ハワイに滞在中の元朝青龍関も近日中に日本に戻り、今後について家族会議を開くとみられる。

 電撃的な引退劇から1週間あまり、今後の進路が注目される元朝青龍関について動きだしたのは、モンゴルの父親や兄弟だった。父ドルゴルスレン氏と、かつて新日本プロレスにも所属した兄セルジブデさんが緊急来日することになった。すでに母親は日本に滞在中で、その動きに合わせるようにハワイでバカンス中の元朝青龍関も近日中に日本に戻る予定という。

 一家勢ぞろいの目的は明らかではないが、関係者によると「親族で今後のことを話し合うのでは」という。4日の日本相撲協会理事会で、泥酔暴行騒動の責任を取って「強制引退」となった。一時はモンゴル国内でこの扱いに「不当だ」として日本相撲協会や日本への批判が高まっていた。このため、本人が帰国して説明する予定もあったが、父ドルゴルスレンさんら親族の呼びかけもあって沈静化したことも、日本での話し合いになる要因とみられる。

 元朝青龍関の親族は、モンゴル国内でASAグループという企業体を経営。不動産業やリゾート開発、銀行など幅広くビジネスを展開しているが、世界同時不況の影響で資金繰りが苦しいといううわさもある。これまでは協会員として副業は禁止されていたが、引退したことで経営にたずさわる障害はなくなった。

 元朝青龍関の今後については個人事務所を立ち上げてのタレント活動や、総合格闘技参戦などが取りざたされている。引退による退職金など合わせて3億4000万円あまりが支給され、税金が引かれたとしてもかなり高額が手元に残ることも、今後の身の振り方に影響があるかもしれない。

 ただ、まだ「本件」の暴行問題について、再来日を逃さずに、警視庁の事情聴取が行われる可能性もある。示談は成立しているものの、被害男性が麻布署の事情聴取に「暴行を受けた」とはっきり証言。傷害事件として立件されることになれば、思い描く「将来像」の大幅変更も余儀なくされることになる。