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(11月9日更新)

奮闘!箱根駅伝総合3位

第33回全日本大学駅伝対抗選手権大会(11月4日 愛知・熱田神宮〜伊勢神宮)

 レース展開
箱根駅伝予選会を好成績で通過し挑んだ今回の全日本大学駅伝。早大は過去に栄光の4連覇を達成したこともあるが、ここ数年は不振続きである。全日本での成績はそのまま箱根駅伝の結果につながるケースも多く、この大会で流れをつかむことが重要になる。早大は2週間前に予選会を戦っているため、選手の疲労などが心配された。

 レースは1区中尾、2区森村が区間9位、7位と今ひとつながら前とはそれほど離されずに最低限のかたちを作ってスタート。3区に起用された駅伝主将の新井が2チームをかわし6位まで順位を上げ流れを呼び込む。そして4区の原田が序盤から積極的なレースを展開。順大・坂井を振り切るといっきに4チームをごぼう抜きし、チームを2位に引き上げる。区間タイムは40分24秒と実にこの区間11年ぶりとなる区間新記録を達成し、駒大のエース・神屋を抑えて区間賞も獲得した。しかし5区空山、6区五十嵐、7区櫻井と区間順位は6位、5位、6位と無難にまとめたものの、守りのレースになってしまい順位は低下。アンカーの後藤も本調子ではなく区間13位と振るわず、チームは6位でゴールした。6位までが来年のシード権が与えられるため、早大は予選会からのスタートはまぬがれた。

総評
 今回の大会で大きな収穫と大きな課題が残った。まず収穫は原田の区間新記録。予選会に続く快走で、早大は絶対的エース不在と言われるなかで、待望のエース誕生を予感させた。駅伝においてエースの役割は大きい。例えば1998年(平成10年)の箱根駅伝は梅木蔵男(平10人卒=現中国電力)が2区で区間賞の快走を演じ、いっきに流れに乗った早大は5区途中まで先頭を走った。一方昨年の箱根は佐藤敦之(平13人卒=現中国電力)が抜けたことによりチームは文字通り崩壊。10位でシード落ちを味わっている。今回の結果を受けて他校は原田をマークしてくることが予想され、原田と同じ区間の選手にプレッシャーをかけることができる。そして何より各校のエースが集う区間で原田が快走となればチームは上昇気流に乗ることが可能になるはずだ。エースの快走が他の選手の相乗効果を生む。理想的なレースを展開することができる。

 一方の課題は流れに乗れなかったこと。エースの話とも共通するが駅伝には流れがあり、それが重要な要素となる。今回3区新井が中継所直前で優勝候補の順大を抜き去りタスキ渡し。追い上げムードを高めた。その走りを受け継いだ原田が2位にまで浮上と、流れは完全に良い方向へと向いた。しかし後続がその流れに乗れず、順位は低下してしまった。「自分が一番足を引っ張った」という6区五十嵐は区間5位。決して悪くはない成績だ。しかし5区空山が何とか2位を保持したのに対し、ここで3位に後退し、なおかつ離されてしまうことで流れは止まってしまった。7区櫻井もまた一つ順位を落とし、今度は一つでも順位を落とさないでゴールする、というような守りのレースになってしまい、結局は総合6位。ここ3年間の成績は9位、9位、11位のため躍進したことは事実だが、すっきりしない終わり方であったことも否めない。

 全体的に安定した走りができるようにはなってはいる。ルーキーの空山も区間6位で、ラストスパートで見せたスピードは各校にとって脅威になるはずだ。1,2区の中尾、森村も今ひとつの結果ではあるがそれなりのかたちは作った。今後は原田を中心とする主力が作った流れにどう乗っていくかが課題となる。それが今後のレースの行方を大きく左右しそうだ。箱根まであと2ヵ月を切った。残された時間でどこまでチームが成長を遂げるかに注目したい。

★総合成績 1位 2時間15分87秒

★区間成績(上段が区間順位とタイム。下段が総合順位とタイム。太字は区間新記録)

1区
(14.6km)
2区
(13.2km)
3区
(9.5km)
4区
(14.0km)
5区
(11.6km)
6区
(12.3km)
7区
(11.9km)
8区
(19.7km)
中尾栄二(人3) 森村哲(人3) 新井広憲(人4) 原田正彦(人4) 空山隆児(人1) 五十嵐毅(人2) 櫻井勇樹(教4) 後藤信二(理工3)
(9)43:58 (7)39:09 (5)28:07 (1)40:24 (6)35:06 (5)36:26 (6)35:43 (13)1:00:56
〔8〕1:23:07 〔6〕1:51:14 〔2〕2:31:38 〔2〕3:06:44 〔3〕3:43:10 〔4〕4:18:53 〔6〕5:19:49

全日本終わって一言

中尾「もうちょっと流れを作れたんじゃないかと思う。でもこれが今の現状。1区は自分の希望が通った。後半のアップダウンに苦しんだ。体ができていなかった」

森村「自分のところでもっと頑張ってかせがなくてはならないのに、流れを絶ってしまう感じもあった。自分には今、勝つという気持ちが足りない。予選会の結果に甘えてしまった」

新井駅伝主将「目標は3位以内だったのに当初の予定から遠ざかって6位争いで(一喜一憂して)すごいだめだった。原田が快走して順位を2位に上げたのにそこから6位まで落ちる一方で。粘りが足りない。結果は6位だったんですがあと2カ月あるんで、改善できるところは改善していきたい。十分に対応できると思うんで、自身を持って。原田以外はみんな悔しい思いをしてるんで強気と自身を持って次のレースに臨みたい」

原田「4区という区間を考えると先頭でタスキを渡すのが自分の仕事でそれを精一杯やっただけ。(前が)見える位置にいたから走りやすかった」

空山「できは60パーセント。とりあえず順位は守れてよかった。でも練習してきたことが出せていない。積極的に前を追うレースができなかった」

五十嵐「チーム内で一番自分が足を引っ張ったので悔しい。強気にいけなくて、前にいた見えない駒沢に勝ちにいくレースができなかった」

櫻井「準備不足。野口(順大)がきたときの対応ができていなかった。予選会のあと2週間だったからというより故障続きだったのが原因」

後藤「中央の藤原が調子いいのは意識してたけど、法政に抜かれたのは自分の油断だった。正直(8区を)任されたときは不安のほうが大きかった。遠藤コーチに信頼されているのだと思い、ベストを尽くそうと思っていた」

遠藤コーチ「もう一歩、二歩。短い区間でもう少しやってくれると思っていた。(予選会からの疲れは)それを言ったらね。でも特に後藤なんかは厳しかったかな。(目標は)3位。上にくるチームを脅かすようなレースをしたかった。(新井の3区起用)空山も考えたけど距離よりも流れを考えて新井にした。力は新井のほうが上なんで。3,4区で流れを作りたかった。(原田について)練習見ててもできるようになってきた。(4区起用は)前のほうで勝負をかけたかった。予選(の好走)と今回8区に置くと、そのあと疲れも出るだろうと思った。(アンカーの後藤は)本調子とは程遠い。でも悔しい思いをしたと思うんで箱根ではやってくれると思う。(レース後は選手に何を言った)シード権を確保するためにきたんじゃない。まだ甘い。個人が勝てる努力をするようにと言った。(箱根までの課題)何をやっていくというよりも、どういう気持ちを持っていくか。何を目標にするのか、それを明確にしていきたい。

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