甲子園最多勝監督、智弁和歌山・高嶋仁監督(65)の片腕に元プロ選手の教え子が加わった。元ロッテ外野手の喜多隆志氏(31)が後輩の古宮克人氏(22)と4月から同校教員になり、副部長になった。5月1日、日本学生野球協会から指導者資格を認められた。高嶋監督は「ノックの勢いを見ても世代交代やなと思うね」と笑う。

 喜多氏は甲子園で96年春は準優勝、97年は夏優勝。東京6大学の慶大では2度のリーグ優勝と00年の明治神宮大会優勝を経験した。01年ドラフト1位でロッテに入団。06年の引退後は、岐阜の朝日大で助教をしながら野球部を指導していた。高3夏の甲子園大会中も、夜中まで受験勉強を続けていた寡黙で努力家の教え子に、高嶋監督は「作戦の意図への質問を聞いても、いいところを見ていると思います」と話している。