第85回選抜高校野球大会(3月22日開幕、甲子園)の出場校を決める選考委員会が25日、大阪市内で開かれた。
巨人阿部慎之助捕手(33)の母校・安田学園(東京)が、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。巨人にとどまらずWBC日本代表の扇の要を先輩に持つ同校は、守備で旋風を巻き起こす。正捕手は小山新次郎捕手(2年)。「アベシン」ならぬ「コヤシン」が、チームをけん引する。
コヤシンはいつも思う。「偉大な阿部先輩に少しでも近づきたい」と。千葉・鎌ケ谷のグラウンド中堅には高さ10メートル、幅40メートルの通称「阿部ネット」がそびえる。阿部のあまりの飛距離に追加設置したもの。両国の学校にはシドニー五輪で使ったバットや、巨人での捕手道具一式が飾ってある。「いつもチラっと見ています」と小山。昨年の日本シリーズ第6戦、安田弘理事長(79)からチケットをプレゼントされ、エース大金真太郎投手(2年)と観戦した。決勝打を放つ先輩の勝負強さを目に焼き付け、憧れをさらに強くした。
180センチを超える選手は1人もいない。それでも森泉弘監督(57)は「むしろ、小さい方が機敏で、守備はいい。守備で10割を目指します」と逆手に取る。小山も173センチと決して大型捕手ではないが、走者一、三塁からの重盗阻止など、状況を考えながらの守備練習を反復し、1点を守る野球への自信は大きい。「阿部先輩がWBCを戦う前に、僕らが勝って先輩の刺激になりたい」とナインは口をそろえた。若き侍たちは「最高です!」と叫ぶ気満々だ。目標は大きく「優勝です!」。【金子航】

