<全国高校野球選手権:大阪桐蔭4-3日川>◇14日◇2回戦

 史上7校目の夏連覇を目指す大阪桐蔭が、苦しみながらも3回戦に進んだ。日川(山梨)に9回2死から追いつかれ、今大会初の延長戦に突入。10回裏1死一、三塁から福森大翔(ひろと)外野手(3年)のサヨナラ打で振り切った。今秋ドラフトの目玉、森友哉主将(3年)は4打数1安打。

 このままでは終われない。「1年ぶり…。そうです。リベンジします!」。サヨナラ勝ちの余韻に森友が浸ったのは一瞬だった。

 1点リードの9回2死二塁。ゴロを処理した二塁の香月が送球をあせってもたつく間に追いつかれた。それでも延長10回、福森のサヨナラ打でなんとか勝った。「9回のゴロで、終わったと思った。自分にスキがありました」との自戒を込めたリベンジ宣言だった。

 日川ベンチは歓声をあげ、日川アルプス席は沸きに沸いた。開幕日の8日に1回戦・日本文理(新潟)戦で2本塁打を放ち、甲子園を魅了した打者が2三振を喫した。

 1回の初打席は先発・三枝のフォーク、3-1の7回1死一、二塁では山田のフォークに仕留められた。今夏の大阪大会は7試合、25打数で1三振。めったに三振をしない森友が甲子園で三振するのは、昨春2回戦で九州学院・大塚尚仁(楽天)に2三振を喫して以来のことだ。

 前日13日の練習後、過去の対戦を振り返り「一番打てないと思った投手は大塚さん。覚えている限り、失投が1球もなかった」と明かしていた。24時間後、まさかの悪夢が再現された。3-3の9回2死、サヨナラを狙ったフルスイングも中飛。延長10回、福森がチームを救ってくれたことに「ここ一番で何かしてくれる。頼りにしている打者です」と感謝した。

 大会を勝ち上がれば秋の国体出場校に選ばれ、今のチームで秋まで野球ができる。「もっとこのチームで野球をしたいですから」と夢を語る。次戦は昨夏準決勝で対戦した明徳義塾(高知)。6月の練習試合に大勝してチームは勢いづき、夏の大阪連覇につなげた。苦しんだ分は結果につなげる。夏は、終わらせない。【堀まどか】