＜練習試合：高校日本代表５－０関大＞◇２６日◇大阪ガス今津グラウンド

　松井と森、ドラフト１位候補バッテリーで世界一に挑む。１８歳以下のワールドカップ（３０日～９月８日・台湾）に出場する高校日本代表が２６日、兵庫・西宮市内で関大と練習試合を行った。桐光学園・松井裕樹投手（３年）が大阪桐蔭・森友哉捕手（３年）と実戦で初のバッテリーを組み、４回を無安打無失点１四球８奪三振の好投を見せた。試合は１、２年生主体の関大に４投手が無安打無失点の継投リレー。初の練習試合に快勝し、世界一へ好スタートを切った。

　松井は燃えていた。７月２５日に神奈川大会準々決勝で横浜に敗れて以来、１カ月ぶりの実戦。指先をロジンバッグに多めに触れて気持ちを落ち着かせた。ユニホームの胸には「ＪＡＰＡＮ」の文字。「このチームの先発を任されて、ぶざまな投球はできない」と、最初からギアをトップに入れた。

　最速１４７キロの直球と宝刀のスライダーで関大打線を封じた。初回から４者連続三振。５人目にファウルを打たれる２４球目まで、バットにかすらせなかった。１、２年生主体とはいえ、関西学生野球リーグで３３度の優勝を誇る関大ベンチから「（バットに）当てろ！」と声が飛ぶほど、直球のノビと変化球のキレが抜群だった。

　神奈川大会では投げられなかった“とっておき”を解禁した。左打者の内角をえぐるチェンジアップだ。２回２死。「森がサインを出したんで」と左打者の腰元から鋭く落ちる１球で、５つ目の三振を奪った。これまでチェンジアップは右打者にしか投げていなかった。制球が安定せず、死球になるおそれがあったからだ。しかし、５月に行った熊本遠征で浦和学院・小島の内角攻めに刺激を受けて、「球数を減らすために左打者の内角を攻めたい」とひそかに試していた。

　初めて森とコンビを組み「リードがすごい良くて投げやすかった。キャッチングがとにかくうまい」と絶賛した。昨秋に国体で対戦。三塁打を含む２安打を浴び「どこに投げても抑えられるイメージがない」と話していた強敵は「一緒のチームでヤバイ。心強いっす」と最大の味方になった。森も「左打者にチェンジアップは有効。使える球は使っておこうと思って」と、左腕の心を読む配球を見せるあうんの呼吸だった。

　「チームの勝ちにつながる投球をする。目指すは優勝です」。今夏、日本一の称号は逃したが、森と一緒に世界一の栄冠をつかみに行く。【島根純】