イチロー「いつか野球場に戻ってきて」
僕らに近い世代の中で、間違いなく野球界に大きな影響を及ぼした人、野球以外のことでも、あれだけ世間の関心を生む人はなかなかいない。ファンの1人として、あらためてすごいと思える。僕にとっての清原さんは、そんな存在です。
そもそも、清原さんとの距離が近くなったのは、2005年オフ。オリックスへの移籍が決まり、神戸にいらっしゃるというので、僕があいさつしないわけにはいかない。仰木監督(故人)の縁もあり、時間があえば食事をご一緒させていただきたいとお伝えしました。ただ、今だから言えますが、僕自身、清原さんにあまりいい印象を持っていない時期もあったりして(笑い)、僕みたいな人間を受け入れてもらえないかも、と思っていました。それでも、実際に会うと、すごく僕のことにも興味を持ってくれて、本当にうれしかったことを覚えています。
見た目もですが、清原さんと僕はまったく違う性質の2人。その違う2人が一緒にいることによって生まれるおもしろさは、新鮮な驚きでした。軸がブレないというのか、深いところでつながっている意識があるからでしょう。懐が深い一方で、子供みたいなところ、僕から見てもかわいい部分があったりもします。
今後への期待も、すごく持っています。清原さんほど言葉の選び方、表現のセンスが抜群の人も、そうはいない。いつの日か、ユニホームを着てもらえると、選手だけでなく、見ている1人としてはおもしろいだろうなと思っています。とりあえず、体を治して、まずはリングに戻って(笑い)、それから野球場に戻って来てほしいですね。(マリナーズ外野手=談)
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