記録という無限の頂(いただき)に向かって、アタックは続きます。エンゼルス大谷翔平投手(27)が22日(日本時間23日)、アスレチックス戦で今季9号の先頭打者弾を放ちました。メジャー通算100号に続き、日米通算150号本塁打の節目となりました。

大リーグでは2016年5月28日、大谷の同僚マイク・トラウト外野手(30)が24歳295日の若さで通算150号本塁打に到達しました。また、大リーグ史上初となる26歳未満で150本塁打と150盗塁、いわゆる「150-150」を達成。さらに通算400長打を加えたトリプル最年少記録もつくりました。

翌17年8月8日には、ブライス・ハーパー外野手(29=当時ナショナルズ、現フィリーズ)もトラウトと全く同じ24歳295日で150号に到達。ア・リーグMVPに3度も輝くトラウト、昨年ナ・リーグMVPに輝いたハーパーという両リーグを代表する若きスーパースターが、くしくも同じ年齢と日数で節目のホームランを打ったことは大きな話題となりました。

大リーグでは25歳未満で通算150本塁打を放つことに大きな意味があります。過去にエディ・マシューズ(ブレーブス)、アレックス・ロドリゲス(マリナーズ)、1本足打法のエド・オットー(ジャイアンツ)ら14人が25歳未満で150号をクリア。現役では他にアルバート・プホルス内野手(42=カージナルス)、ジアンカルロ・スタントン外野手(32=当時マーリンズ、現ヤンキース)の2人が、25歳未満で大台に到達しています。

そして彼らの最終ゴールとして話題になるのが、殿堂入りの基準とも言われる通算500号です。すでに現役引退した10人中7人とプホルスが、通算500本塁打に到達しています。大台に達しなかったのは、オーランド・セペダ、ジョニー・ベンチ、アンドリュー・ジョーンズ(元楽天)の3人だけ。セペダとベンチは後に殿堂入りを果たしました。

大谷は27歳323日での到達。日本ハム時代から投打二刀流に挑戦しながら、この若さで日米通算150号ですから、驚くばかりです。ちなみに、「元祖二刀流」ベーブ・ルースの150号到達は、打者に専念していたヤンキース2年目の26歳の時でした。

今後10年、年平均30発以上のペースで打ち続ければ、憧れの松井秀喜外野手(元ヤンキース)に続く日米通算500号到達も夢ではありません。松井は日本で332本、米国で175本、合わせて507本塁打を放ちました。大谷は日本人最速となる出場459試合でメジャー100号をクリア。まだまだ遠い先の話になりますが、日米通算本塁打でも「ゴジラ超え」への大いなる挑戦に、期待が膨らみます。(大リーグ研究家・福島良一)