ドジャース大谷翔平投手が、3年連続4度目のMVPに輝きました。メジャーでは歴代最多通算本塁打記録を持つバリー・ボンズ(ジャイアンツなど)の史上最多7度に次ぐ、単独2位の記録となりました。
大谷以外で、3度以上MVPに輝く選手11人中7人が殿堂入りしています。残る4人の中で、ボンズとアレックス・ロドリゲス(ヤンキースなど)は薬物問題があり、アルバート・プホルス(カージナルスなど)は有資格前、マイク・トラウト(エンゼルス)は現役選手なので、もはや4度目の受賞となった大谷の殿堂入りは、確実になったと言えます。
米4大プロスポーツ全体を見ても、5年間で4度受賞したのは他にボンズ、NBA史上最も偉大な選手の1人とされるビル・ラッセル、史上最高のオールラウンダーであるレブロン・ジェームズ、NHLで「アイスホッケーの神様」と称されるウェイン・グレツキーしかいません。その偉大な4人に大谷が仲間入りしたわけです。
メジャーにおいてア、ナ両リーグで2度ずつMVPに輝いたのも大谷が初めてです。それまで長い歴史で両リーグMVPは61年レッズ、66年オリオールズ時代に受賞し、後に初の黒人監督でも有名になった殿堂入りフランク・ロビンソン1人だけ。それが何と両リーグで2度ずつ受賞とは、とてつもない偉業です。
また、名門ドジャースは幾多の名選手を輩出し、過去12人もMVPが誕生しています。その中で50年代にニグロリーグ出身の名捕手ロイ・キャンパネラが3度受賞。しかし、彼以外に複数回受賞した選手は1人もおらず、大谷が球団史上初の2年連続受賞となりました。
さらに特筆すべきは投打二刀流での受賞です。21年エンゼルス時代に投打二刀流で初のMVPに輝き、23年は史上初の2年連続2桁勝利&2桁本塁打で2度目のMVPを獲得。昨年ドジャース1年目は前人未到の「50-50」で3度目のMVPを獲得しました。
今年は2年ぶりに投打二刀流復帰で4度目の受賞となりました。特に、今季チームは前半戦最大9ゲーム差の首位で折り返しながら後半戦もたつき、一時はパドレスに追い抜かれ2位に転落しました。しかし、最後は逆転して逃げ切り、直近13年間で12度目の地区優勝を飾りました。大苦戦しながらの優勝に、最も貢献したのが大谷でした。
最も大事なシーズン終盤の8、9月に打者としてOPS1以上をマーク。また、投手では8月27日に2年ぶりの勝利投手となり、9月は3試合の先発登板で14回3分の2回を無失点と、チームに勢いをもたらしました。
やはり、個人成績だけの「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」と違い、いかにチームの勝利に貢献したかが「MVP」の最も大事な選考基準と言えます。その点でドジャース移籍後2年続けて優勝してのMVPは本当の価値があり、さらに本人が望む投打二刀流で優勝してMVPこそ、最高の価値があります。
ボンズは2001年メジャー16年目で4度目のMVPに対し、大谷はメジャー8年目で早くも4度目のMVPを獲得。このペースでいけば、ボンズ超えも間違いないでしょう。
【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




