オリオールズが2つの課題を解決したものの、依然として混迷の中にいる。

12月18日、傘下の地元スポーツ専門局でオリオールズとナショナルズの試合中継を行っているMASNが2017年から21年の5年間のメディア権について総額3億400万ドルの支払い義務があるというMLBの仲裁について合意したことを発表した。大きな収益についての不安が解消された形だ。

さらに翌19日には本拠地カムデンヤーズの使用について、所有するメリーランド州当局と30年間のリース契約を締結している。オリオールズは1992年からカムデンヤーズのオリオール・パークで試合を行っているが、12月31日でリース契約が切れることになっていた。そのためこの数年契約交渉が行われていたものの、なかなか折り合わず、移転の可能性まで取り沙汰されていたのである。

今回の契約締結でジョン・アンジェロス会長兼CEOは声明で「経営陣は今シーズン、オリオールズをリーグの頂点(ア・リーグ1位)へと導き、今回は知事と協力して契約を実現させた。最も重要なのは、オリオールズがあと30年ここにいて、ボルチモアで100年目のシーズンを迎えるというファンとの約束を果たせることだ」と喜びのコメントを発している。

が、事態はそれほど簡単ではない。MASNについては今後2022年から26年までの放映権料について協議を続けなければならない。ナショナルズが絡むだけにまた一筋縄ではいかないだろう。

カムデンヤーズに関しても、隣接地区での別個のリース契約と再開発計画について交渉がまだ続いている。州政府から必要な承認が得られなければ、今回の30年契約を15年に短縮するオプションが設けられているのだ。

さらに難しくしているのがチームのオーナーシップの行方だ。現オーナーのピーター・アンジェロスは現在94歳で、近年健康問題に悩まされている。そのため、自分の死後チームを売却することで相続税を減らしたいとの希望を明らかにしている。その一方でウォール・ストリート・ジャーナルがピーターの長男で会長兼CEOであるジョンが、父の死後も球団の支配権を維持しようとしていると報じたのだ。また以前、ジョンとその母ジョージアが、ジョンの弟ルイと対立し、訴訟となったこともあり、アンジェロス家は分裂状態にあると見られているのである。

これに対し、12月には投資会社カーライル・グループの共同設立者デービッド・ルーベンスタイン氏がチーム買収に向けた交渉に入っているとの報道も出た。オリオールズの将来についてはさらなる紆余曲折が必至である。