1安打=01年4月2日


01年4月4日付日刊スポーツ1面
01年4月4日付日刊スポーツ1面

 シアトル・マリナーズのイチロー外野手(27)がメジャー開幕戦で鮮烈なデビューを飾った。アスレチックス戦に「1番右翼」でスタメン出場し、5打数2安打で1得点。第3打席までは凡退したが、7回裏の第4打席に中前へ初安打を放ち、同点劇の先陣を切ると、8回裏にはバント安打で逆転勝ちのチャンスをつくった。日本人メジャー11人目、野手としては初のメジャーリーガーとして、鮮やかな第1歩をしるした。


 イチロー 「長い間、アメリカに来たいという思いがあって初めてグラウンドに立てて、しかも安打が打ててすごくうれしかった。セレモニーもそうですが、試合そのものの盛り上がり方がすごいと思いました。歓声もすごかったですし一生忘れられない日になるでしょう。(バント安打は)すごく硬くなりました(笑い)。もう6年ぐらいやってなかったですから。成功してホッとしました。(声援は聞こえたかと問われ)たくさん聞こえてきました。大暴れ? ちょっとだけはできたかなと思います(笑い)」



500安打=03年5月16日


03年5月18日付日刊スポーツ3面
03年5月18日付日刊スポーツ3面

 マリナーズ・イチロー外野手(29)が、メジャー通算500本安打を達成した。あと「2本」で臨んだタイガース戦で、第1打席に遊撃内野安打、続く第2打席に右翼線へ二塁打。今季50本目の安打で大台に到達した。この日は4打数2安打で打率は3割1厘となった。


 イチロー 「(500安打は)ええ、知ってましたよ。余計なことを耳に入れてくれる人がいるんでね。ただ、特に区切りという数字でもないでしょう」「(『来た球を打つ』ではなく『来た球に対応する』という)打者としての基本は外せません。ただ、どうやってその感覚を見つけるか、感じるか、そして表現していくか。感じる感性があるか、微調整ができるか、だと思います。それに気付かない人もいるでしょうから」


1000安打=05年6月14日


 マリナーズ・イチロー外野手(31)が、日本人選手初のメジャー通算1000本安打を達成した。「あと1本」で迎えたフィリーズ戦の第1打席に、右翼フェンス直撃の安打。通算696試合目での大台到達は、1900年以降では、史上3番目のスピードとなった。昨年マークした年間最多記録262安打に続く「安打製造機」らしい勲章だが、不振が続く中での金字塔に、複雑な心境も吐露していた。


05年6月16日付日刊スポーツ2面
05年6月16日付日刊スポーツ2面

 イチロー 「(地元シアトルのファンのスタンディングオベーションに応えることを自粛し)あそこは戦いがありましたね。応えるべきかどうか。今の成績ではやるべきではないと判断しました。そういう気持ちの葛藤(かっとう)がありました。する勇気が出ないというか。ずいぶんと予定というか、イメージよりも遅くなってストレスがたまってましたし、なかなかスッキリした感じではなかったですね。日本で1000本打った時に、安打を重ねるたびに難しくなると言ったんですが、こちらでもやっぱり変わらない。簡単になることはないな、って感じました。長くやっていると、立場が変わってくるし、もらってる給料も変わってきますしね。楽にさせてくれないですよね。倍ぐらいの失敗を重ねないと生まれない。それが打撃ですから。そうやって奥深いものになってくれればいいですね。失敗を繰り返すことが」


1500安打=07年7月29日

 

 アスレチックス戦に出場したマリナーズのイチロー外野手(33)が第2打席で中前打を放ち、メジャー通算1500本安打を記録した。メジャー1060試合目での到達は、1900年以降では3番目のスピード達成となった。イチローは「1番でないのは腹が立つ」と独特の表現で、節目の記録達成の気持ちを話した。


07年7月31日付日刊スポーツ最終面
07年7月31日付日刊スポーツ最終面

 イチロー 「まぁ数よりもスピードですからね、大事なのは。2000ではないんで。(1060試合目での達成に)まぁ評価難しいですけどね。日本ではない数字なので分かんないけど。まぁだから、僕の中というよりも、そこは人と比べてだね。(アル・シモンズ、シスラーに次ぐ3番目のスピード記録に)んんん、やっぱ1番じゃないのが腹が立つ」


2000安打=09年9月6日


 マリナーズのイチロー外野手(35)が、史上259人目となるメジャー通算2000安打を達成した。あと1本で迎えたアスレチックス戦で、1回の第1打席に右翼線を破る二塁打を放ち、大台に到達した。メジャー9年目では史上初、1402試合目は1900年以降で史上2番目のスピード記録となった。この日は4打数1安打で今季195安打とし、あと5本と迫った9年連続200安打のメジャー新記録が次のターゲットとなる。


09年9月8日付日刊スポーツ1面
09年9月8日付日刊スポーツ1面

 イチロー 「(デビュー直後に初めて訪れた際、大ブーイングで迎えられた)この場所(オークランドコロシアム)で今日安打を打って、観客の人がすごく祝福してくれたというのは、ちょっと感慨深いものがありましたね。(守備位置では25セントコインや氷が投げ込まれ)そのことを思い出したのでちょっと気持ち良かったですね。今の僕は、そういう圧力でパフォーマンスが変わるということをまったく感じていない。少なくとも過去のもの。どうということもないですね。偉大かどうかは人が決めること。偉大と言ってくれるならうれしいですけど、謹んでお受けします、という感じでもないですね」


2500安打=12年6月19日


 苦しみながら、また1つ節目をクリアした。マリナーズ・イチロー外野手(38)が19日(日本時間20日)、敵地ダイヤモンドバックス戦の1回に中前打を放ち、日本選手として初、大リーグ公式ホームページによると91人目のメジャー通算2500安打を達成した。1817試合での到達は4番目の速さで、デビューから11年78日での到達は史上最速。節目の記録まで1安打で迎えたこの日は4安打2打点をマーク。打撃不振で〝強制休養〟させられた前日の悔しさを爆発させた。


12年6月21日付日刊スポーツ最終面
12年6月21日付日刊スポーツ最終面

 イチロー 「アロマーが2500を打った時(2002年)に『とんでもない数字だな』と思った記憶がある。そこまで来たことに、感慨深いものがある。最近思うのは、今まで打ってきた2400何本のヒットが、今日の試合では何の役にも立たない世界にいるということ。気持ちいいのは一瞬しかないということ」