【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)3日(日本時間4日)=四竈衛、斎藤庸裕通信員】ポスティングシステムで米大リーグ移籍を目指す日本ハムの大谷翔平選手(23)がドジャース、マリナーズなど7球団を候補に残し、4日(日本時間5日)にも交渉を始める。一方で大本命といわれていたヤンキースを含む14球団に「1次審査」である書類選考の結果、入団の意思がないと伝えた。

 大混戦が予想された「大谷争奪戦」が、一気に動いた。4日にもスタートする直接交渉には、少なくともマリナーズ、ジャイアンツ、ドジャース、エンゼルス、パドレス、レンジャーズ、カブスの7球団が臨むものとみられている。

 代理人ネズ・バレロ氏が全球団に配布した質問書に対する返答は、この日までに同氏サイドに到着。11月29日(同30日)に米国入りした大谷と同氏らスタッフとの間で、絞り込み作業が進められていた。その結果、この日までに、有力視されていたヤンキース、レッドソックスなどのほか、ツインズ、ダイヤモンドバックスなどが「1次審査」で次々と落選。全米中の野球記者が、一斉にツイッターなどで詳報を伝えた。

 シーズン中に札幌ドームで直接視察したほか、早い時期から獲得意思を宣言していたヤンキースのキャッシュマンGMは、地元メディアに対し、直接交渉に招待されなかったことを認めた。さらに「先方からの返事で、大規模市場にあり、東海岸にある球団は不利だと感じた。数日前からいい感じを持てなくなっていた」と、大谷側が西海岸の小さい市場を好んだことを理由として挙げた。「我々のプレゼンテーションは素晴らしかった。だが、ニューヨークが大きな市場、東海岸であることは変えられない。彼の幸運を願いたい」と、無念そうに話した。

 米メディアでは、過去にイチローをはじめ日本人選手の獲得で数々の実績を持つマリナーズが、最有力候補として浮上した。もっとも、人気球団のヤ軍、レ軍などが交渉のテーブルにも着けないなど、旧来の先入観だけでは判断できない状況でもある。

 ロサンゼルス市内で予定される「2次審査」の日程や方法などは明かされていないが、直接のプレゼンテーションで大谷の心を動かせるのか。各球団にとって、最後の熱い戦いが、いよいよ幕を開ける。