大谷が選んだエンゼルスの背番号17は、99年から06年まで、左打ちの外野手兼一塁手ダリン・アースタッドがつけていた。アースタッドは95年にネブラスカ大からドラフト全米1位でエンゼルス入り。2度球宴に出場し、ゴールドグラブ賞を3度受賞した俊足強打の選手。00年にはリーグ最多240安打を放ち、打率3割5分5厘、25本塁打、100打点でシルバースラッガー賞も獲得した。02年にはジャイアンツとのワールドシリーズ全7戦に出場し、打率3割で世界一に貢献。大谷は、打者として00年のアースタッド以上の成績を残せば文句なく大成功と言えるだろう。

 そのアースタッド氏は現在、母校のネブラスカ大を指揮している。くしくも今年のドラフトでアストロズから指名されたジェーク・マイヤーズ外野手らの二刀流選手を育てた。ベースボールアメリカ誌に「(二刀流選手は)登板日の前日、翌日は指名打者として使い、その他の何日かは野手で起用するような感じにしている」と言及。大リーグでは「移動はチャーター機で、そこまで激しい練習も行わない。移動日以外は睡眠もきちんと取れる」ことが、二刀流への追い風になると分析している。

 ちなみに大谷が日本ハム時代につけた11番は、エ軍では61~71年に活躍した遊撃手ジム・フレゴシ(故人)の永久欠番だ。そのフレゴシがエ軍初代の背番号17だったことにも運命を感じる。エ軍の歴代の背番号17の中で、悪名高いのは92年に背負ったチャド・カーティス外野手。引退後は体育教師として働いていたが、女子生徒への性的暴行などで有罪となり、現在収監中だ。【MLB担当=千葉修宏】