エンゼルスの首脳陣が、メジャーリーガーとして新たな道を歩む大谷の起用プランを明かした。先発投手兼指名打者(DH)として起用していく予定で、ソーシア監督は大谷のための「6人ローテ」を採用する意向を明かした。先発投手と野手としての出場を両立した伝説の名選手ベーブ・ルース以来の二刀流への挑戦がいよいよ幕を開ける。

 エンゼルスはチーム一丸となって大谷を後押しする姿勢を明確にした。ソーシア監督は「間違いなく彼を二刀流選手として起用する計画だ」と明言。エプラーGMは「来季は外野では起用しないと思う」とし、投手としての起用に関して「6人ローテを前向きに考えている。それで少し彼の負担が減るだろうし、他の投手にとっても同じだ」と、5人の投手によるローテーションが基本線のメジャーでは異例の6人ローテを採用する方針を明かした。

 ソーシア監督は、先発投手としての大谷を「威力のある球を持ち、ヤング・バーランダーのような投手」と、最多勝に2度輝いたアストロズのエース右腕バーランダーに例えて評価している。エ軍の先発陣は故障者や故障明けの投手が多く、絶対的なエースはいない。先発ローテの上位はもちろん、1番手を任せる可能性は十分にある。

 強打者が右打ちに偏る打線でも左の大谷にかかる期待は大きい。ソーシア監督は、近年はDHでほぼ固定の37歳のプホルスについて「週2試合ほど一塁で起用することを考えている」と言及。通算614本塁打のプホルスが一塁に入る日と休養する日、週に2~3試合は、DH大谷のプランが検討されているもようだ。

 一方で大切に育んでいく姿勢も見せる。ソーシア監督は「まだ23歳。肉体的、精神的にも技術面でも成長の余地はある」と言った。エプラーGMは「最も重視したいのは故障をさせないことだ」と、無理のないスケジュールを組んで、大谷の状態を見ながらプランを変更する可能性も示唆した。