ヤンキース田中将大投手(29)が、5年目のシーズンに向け渡米した。

 髪を短く切りさっぱりとした姿で搭乗ゲートに現れ「また今年もいよいよという気持ちはありますけど、正直、そんな特別な高まりというものは、まだありませんね」と笑顔。昨季まで3年連続開幕投手を務めたが、今季は14勝を挙げた右腕セベリーノと開幕投手の座を争う。「ここ数年の中では一番強敵もいますし。まあ敵ではないですけど(笑い)。そこは、狙って調整はしていきたいとは思ってますけども」と意気込みを明かした。

 今オフはFA市場の動きが遅く、ダルビッシュ(ドジャースFA)ら大物FAの所属先がまだ決まっていない。田中自身、昨季終了後に契約を破棄してFAとなる権利を持っていたが、11月上旬に権利を行使せず残留。それが結果的に良かったのではと問われると「僕が残るか残らないか、破棄するかしないか、決める段階で、誰もこんなふうになるとは思ってなかったし、分かってもなかったと思う。そんなことはもちろん、考えてやっていたわけではないし」と振り返り「(2月に入っても所属先が決まらないのは)そりゃあ、落ち着かないんじゃないんですか。(キャンプ地が)どこになるか分からないし、家だってそうだし」と話した。

 搭乗前には出発セレモニーが行われ、日本航空から背番号「19」入りの飛行機の縫いぐるみが贈られた。ゲート周辺に集まっていたお客さんからは「がんばって」と声援が飛んでいた。