【アナハイム(米カリフォルニア州)3日(日本時間4日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷よ、野球愛を貫け-。レジェンドから金言だ。チームイベントに参加した伝説の左腕ジム・アボット氏(50)が、大谷の二刀流成功への秘訣(ひけつ)を熱弁した。その答えは「愛」だった。
心配ないからね! アボット氏が、大谷にメッセージを送った。89~92年と95~96年にエンゼルスに所属し、先天性右手欠損という障害がありながら、通算87勝。ノーヒットノーランも達成したレジェンドは「僕は野球が大好き。そのパッション、好きだという感覚をずうっと持ち続けて欲しい。そうすれば、どんな困難でも乗り越えられるよ」と、大谷の背中を押した。
困難を乗り越えた先輩からの親身なアドバイスだった。生まれつき右手首から先がなく、ハンディキャップのあったアボット氏。左手用のグラブを右腕にはめ、投げた直後にそのグラブを左手にはめ直して守る。瞬時の動作が必要だった。それでも「ちょっと他の選手と(野球の)やり方が違っただけ。でもそれが僕は好きだった。何よりパッションがあったから」と、当時を振り返った。
やり方が違う野球という意味では大谷も同じ。メジャーリーグで二刀流挑戦という、偉業に挑む。「彼にとって大きなチャレンジ。でもそれを好きになること。野球場に来るのが好き、トレーニングが好き、そうすれば、偉大なメジャーリーガーになれるだろう」と、期待を寄せた。
大谷は渡米前のセレモニーで「野球道具と気持ちがあれば何でもできると思う」と語った。アボット氏と同じ「野球愛」が、そこにはある。「野球が本当に好きなんだろうなと思う」と、アボット氏は自分と重ね合わせるように言った。前人未到の挑戦。それでも、最後に愛は勝つ。
◆ジム・アボット 1967年9月19日生まれ、ミシガン州フリント出身。生まれつき右手首から先がないハンディを独特の「アボット・スイッチ」で克服。ミシガン大3年時、アマチュアスポーツで米国最高の栄誉「サリバン賞」を受賞。88年ソウル五輪代表に選ばれ、決勝で対戦した日本を下し金メダル獲得。翌年ドラフト1位でエンゼルスに入団した。93年にノーヒットノーラン達成。99年に引退した。メジャー通算87勝108敗。



