ライバル復帰前に、貴重な1本-。マリナーズのイチロー外野手(44)が17日(日本時間18日)、アストロズ戦に「8番左翼」で3試合ぶりにスタメン出場し、3打数1安打。マリナーズが散発3安打で敗れた中の1本を放った。

 昨季世界一のアストロズは、極端なシフト守備を多用することでも知られ、広角に打ち分けるイチローに対しても、外野手3人を左へ寄せた。実際、第2打席は右中間への打球が、右翼手のほぼ正面を突いた。もっとも、イチロー自身は「どんなシフトだったの?」と、われ関せず。第3打席には、シフトに左右されない中前へクリーン安打を運んだ。アストロズについて「いいチームだもんね、当たり前だけど」と話す一方で、データ偏重の戦術については「そういうものをもとにしてやっているわけだから。そりゃそうなんでしょう」と、あくまでもクールに反応した。

 ただ、クールに徹していられる状況でもない。昨季までの正左翼手で、キャンプ以来右脇腹痛で離脱していたギャメルが、18日にも復帰予定。今回は先発ミランダが降格し、当面は外野手枠を5人に広げる方針だが、イチローの立場は決して安泰ではない。今後は出場機会を巡るシビアな競争が本格化するだけに、これまで以上に結果を求められる日々がスタートする。(シアトル=四竈衛)