エンゼルス大谷翔平投手(23)が22日(日本時間23日)、メジャーで初めて4番に座った。

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 試合前のまばらな観客席に突如、密集地帯ができた。ブルペンの前だった。メジャー初の4番で打席に立つ前、大谷はブルペンで次回登板に向けて投球練習を行っていた。約30人の中の1人、本拠地アナハイム近郊のオレンジカウンティに住む、シャド・オーウェン君(10)は「大谷のようになりたい」と目を輝かせた。内野手と投手でプレーする野球少年。将来の夢はメジャーリーガーだという。

 オーウェン君は4番を打つ大谷に「すごくエキサイティングだよ!」と心を躍らせた。この日は、球団イベントで約7000人の少年野球選手が観戦に訪れてもいた。大谷の「4番初安打」は、多くの子供たちに二刀流は夢ではなく、可能なことなんだ、と実感させたはずだ。

 大谷の4番起用についてソーシア監督は「ブルペンで100%で投げて、その後4番で出場する。そんな選手、過去にいたか」と言った。ここ数日、米球会関係者の会話では「これから二刀流を続ける人が多くなる」と、よく聞く。高校、大学野球の高いレベルでも二刀流選手が増える。日本で起きた二刀流の増殖が、米国でも起ころうとしている。【斎藤庸裕】