執念の2安打-。マリナーズのイチロー外野手(44)が、レンジャーズ戦に「6番右翼」で5試合ぶりにスタメン出場し、3打数2安打2四球と、今季3度目のマルチ安打をマークした。この日から外野手枠が「4」と1枠減るなど、ベンチ入りメンバー25人枠の生き残りをかけた戦いが本格化。今後の10日間が正念場となる。

 マリナーズがイチローではなく、ヘレディアをマイナーに降格させたことについて、地元では厳しい球団批判が噴出している。22日付のシアトル・タイムズ電子版は「マリナーズは何を考えているのか? 残し続けることは筋が通らない」と挑発的な見出しで「27歳をマイナーに落とし44歳を残す正当性はゼロだ」と主張した。ザ・ニュース・トリビューン電子版は「イチロー残留でファンがツイッターで激怒」の見出しで、批判的なファンの声ばかりを集めて紹介した。

 マリナーズ首脳陣には、説明を求める質問が続いた。サービス監督は「イチは、今後、もっといろいろなプラス材料を生み出してくれるようになるだろう。クラブハウス内を含めて、ここにいてくれることを願っている」とコメント。ディポトGMは「25人枠を編成するのは、はたから見るより複雑なもの。イチローがクラブハウスでどれほどインパクトを与えているか、分かっていないと思う。若手をよく指導し、年長の選手だって彼を非常に尊敬している」と反論した。

 チームは13日(同14日)から29日(同30日)まで17連戦。救援8人の投手枠13人を優先したためにヘレディアが降格となったが、間もなく一塁手ヒーリーも故障から復帰する予定。その際の選手の入れ替えによってはざわつくことになりそうだ。