【ミネアポリス(米ミネソタ州)8日(日本時間9日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(23)が右肘の内側側副靱帯(じんたい)の損傷(グレード2)で自身初となる10日間の故障者リスト(DL)に入った。7日(同8日)にロサンゼルスで「PRP注射」と呼ばれる治療を受けた。3週間後に再検査を受けて今後の方針を決める。投手として7月15日(同16日)までの前半戦中の復帰は絶望的。復帰まで1年以上かかるとされる靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受ける可能性も出てきた。

 「二刀流」に挑戦する大谷の肘が悲鳴を上げた。ツインズ戦の約5時間前、エンゼルスはツインズ3連戦の遠征に同行しなかった大谷について「右肘側副靱帯損傷で故障者リスト入りした」と発表。遠征に同行しなかったエプラーGMがあわただしく電話会見した。

 説明によると、大谷は右手中指のまめが悪化して4回1失点で降板した6日(同7日)のロイヤルズ戦後に右肘の張りを訴えた。チームドクターの診断では、損傷の程度は3段階のうち中程度の「グレード2」で靱帯の一部損傷または部分断裂の状態だった。翌7日(同8日)には米ロサンゼルスで「PRP注射」による治療を受けた。3週間はボールを投げずに調整し、再検査を受けてから今後の方針を決めるという。

 14年に同じPRP注射による治療を受けたヤンキース田中は復帰まで約2カ月半要していることから、大谷が投手として前半戦で復帰するのは絶望的で、7月20日(同21日)の後半戦開始からも厳しそう。これまでのソーシア監督の起用法から見ても長期離脱は避けられそうにない。打者限定の出場にはエプラーGMが「スイングで(肘への)リスクが高まるかもしれない。3週間様子を見て決めたい」と慎重な姿勢で、指名打者でファン投票に候補入りしているオールスター戦(7月17日、ワシントン)の出場も難しそうだ。

 焦点となるのはPRP注射の治療だけで復帰できるか。トミー・ジョン手術を受けなければならないかだ。大谷は日本ハム在籍時の昨年10月にグレード1の段階でPRP注射を受けており、エプラーGMは「今年の投球をみればいい方向にいっていた」と手術をしない選択が効果的だったと強調した。その一方で、復帰に1年以上かかるとされるトミー・ジョン手術について可能性は否定せず、「避けられたらいい。希望的にはこのままの治療で回復できればと思う」と話した。

 「本人は今どんな心境だと思うか」と聞かれたエプラーGMは「エリートレベルの選手がこうなったら、いろんな感情が出てくる」とおもんぱかった。レギュラーシーズン162試合のうち64試合を消化して4勝、6本塁打の大谷。伝説のベーブ・ルース以来100年ぶりの同一シーズンでの「2桁勝利、2桁本塁打」が期待された二刀流ロードに黄信号がともった。