10年前、22歳の青年の決断が日本球界を揺り動かした。08年9月11日、社会人NO・1右腕だった新日本石油ENEOS(現JX-ENEOS)田沢純一投手(32=タイガース)が、日本球界を経ずに直接大リーグに挑戦する「直メジャー」を表明し、レッドソックスと3年契約を交わした。日本のドラフト1位候補の海外流出は初めてで、大リーグではセットアッパーの地位を築いた。

<日本のプロ未経験で大リーグ出場選手>

 ◆鈴木誠(マック鈴木) 滝川二高を1年で中退し、92年に渡米。独立リーグを経て93年にマリナーズとマイナー契約し、96年にメジャー昇格。計4球団で16勝。02年ドラフト2巡目でオリックスに入団し05年まで在籍。

 ◆多田野数人 立大で東京6大学通算20勝。02年ドラフトで自由獲得枠候補だったが、横浜が直前に指名回避。他球団からも指名がなく03年にインディアンスとマイナー契約。04年に昇格し、通算1勝。07年大学・社会人ドラフト1巡目で日本ハムに入団し、14年退団。

 ◆田沢純一 新日本石油ENEOS(現JX-ENEOS)のエースとして08年都市対抗野球優勝に貢献。ドラフト1位候補だったが、メジャー挑戦を表明。レッドソックスと3年総額330万ドル(当時約3億1400万円)でメジャー契約。プロ球界を経ず、直接メジャー契約した史上初の日本人選手になった。