苦難の連続で、ダルビッシュ有投手のカブス移籍1年目はレギュラーシーズンの佳境を前に終わった。

 昨季逃したワールドシリーズ制覇に懸け、今季はカブスに加入した。巨額の契約で大きな期待を受けた中、4月は勝てなかった。5月は7日にインフルエンザのような症状で故障者リスト(DL)に入ると、ようやく白星が付いた直後の26日には右上腕の故障でまたもDL入りした。

 6月下旬には右肘にも異常が発覚し、フォームの修正や体のゆがみの矯正などに取り組み、今季中の復帰を目指し、今月19日に実戦登板するまでに回復していた。調整は前進と後退を繰り返し、マドン監督は「肉体的にも、恐らく精神的にも厳しい1年になってしまった」と苦渋の表情を浮かべた。

 エプスタイン編成本部長によると、無理して投げ続け、疲労骨折などの重大な事態を招くことを避けるため「6週間の患部安静」を決めたという。今後はより慎重を期したリハビリになるとみられるものの手術歴がある右肘だけに、不安は尽きない。