巨人岩隈久志投手(39)が今季限りで現役引退することが19日、分かった。同日中に発表される。

岩隈は19年から巨人に入団したが右肩痛のため2年間1軍登板はなかった。

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マリナーズ時代の岩隈を取材した中で印象に残っているのは、16年シーズンだ。楽天時代の後輩であるヤンキース田中との初対決。そして、ポストシーズン(PS)進出がかかったシーズン最後の登板でKOされて流した涙が忘れられない。

田中との投げ合いは4月17日のヤンキースタジアムだった。同じ球団出身で8歳下の後輩。普通なら何としても負けたくないところだろうと想像していたが、それ以上に投げ合いを心から楽しみにしている様子が印象的だった。

涙を流したのは、10月1日のアスレチックス戦。負ければPS進出の可能性が消滅するという大一番で9安打5失点と打たれて4回途中で降板。チームも敗れた。「チームに申し訳ない」とうなだれ、1年を振り返ったときに涙が頬を伝った。先発ローテの柱としての責任感が人一倍、強い投手だった。【水次祥子】