エンゼルス大谷翔平投手(26)の走塁が、マドン監督の心をつかんだ。ジャイアンツとのオープン戦に「3番DH」で出場。2点リードの1回、通算128勝の右腕クエトと対戦。初球、内角球を引きつけて三塁方向へはじき返し、左翼線への安打を放った。5試合連続安打をマークしたが、同監督の注目は安打ではなく「ファーストベースでのターン」だった。

大谷は左翼線へ転がった打球を見てベースを大きく回り、二塁へ進塁する姿勢を見せた。だが途中で断念し、慌ててヘッドスライディングで一塁へ帰塁。勢い余ってヘルメットを飛ばすほどの全力プレーだった。「我々がどういう風に野球の試合でプレーするか、そういうことを私は見ている。非常に好きだ」とマドン監督。その後、2死一塁から6番プホルスの二塁打で一気にホームを狙ったが、好返球でタッチアウト。それでも「アウトになったが、翔平は非常によく走った」とたたえられた。

スキがあれば、次の塁を狙う。大谷の果敢な走塁が名将の目に留まった。3回の第2打席では遊撃内野安打を放った。ほぼ定位置へのゴロだったが、全力疾走。バックハンドで捕球した遊撃手の送球より間一髪早く、一塁を蹴った。この日2安打で今オープン戦の打率は5割3分8厘。好調な打撃が目立つが、常に全力でプレーする姿勢も際立っている。(テンピ=斎藤庸裕)