大谷翔平の豪快なアーチショーが、米メディアの取材習慣を変えた? 今キャンプで大谷が12日に屋外でのフリー打撃を再開して以来、ド軍担当記者の大半がグラウンドに集まるようになりました。というのも、これまで米メディアの間では、キャンプ中の練習内容はさほど重要視されていませんでした。突発的なニュースがない限り、彼らは事前に狙いを定めた選手や原稿のテーマを設定し、本人や関係者ら周辺取材を重ねて記事化する手法が主流でした。

ところが、シーズン中はめったに屋外で打たない大谷の打撃内容があまりにも衝撃的で、特大アーチを連発するため、これまでは日本メディアの「伝統芸能?」だった「柵越えカウント」を米メディアも始めるようになりました。専門サイト「ジ・アスレチック」のド軍番ファビアン・アルダヤ記者は、エンゼルス担当時代から大谷を取材してきましたが、今キャンプで初めて柵越えを数え始めました。「こんなことはしたことなかったよ。でも、彼だけ。数えるのは」と、打球の行方を追いながらメモ帳にペンを走らせています。

99年、前年に当時シーズン最多の70本塁打を記録したマーク・マグワイア(カージナルス)のキャンプ初日。ほぼ習慣的に柵越え数を数えていた日本メディアから情報を得た地元セントルイスの記者が記事化して以来、フリー打撃の柵越え数を米メディアが取り上げた記憶はありません。それほど、米国でも大谷への注目度が過熱している裏返しと言えそうです。【MLB担当 四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)