メジャー1年目のレッドソックス沢村拓一投手(32)が2日(日本時間3日)、メジャーデビューした。悪天候で1日遅れとなった開幕オリオールズ戦に救援登板。1回を1安打無失点1奪三振の好投をみせた。

新人とはいえ、日本で幾多の修羅場を経験してきた沢村は、平常心で出番を迎えた。0-3と3点リードされた9回。かつてレ軍でクローザーを務めた上原浩治氏も使用していた登場曲「サンドストーム」が流れる中、右中間のブルペンからマウンドへ向かった。「高揚感はありましたが、変な緊張感もなく、すんなり入れたと思います」。2死後、二塁打を浴びたものの、後続を二ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。

最速96マイル(約155キロ)を計測したほか、93マイル(約150キロ)のスプリットで空振り三振を奪うなど、オープン戦で感じていた課題を着実に修正した。「ゼロで終われたというところだけ、いいスタートが切れたのかなと思います」。レ軍は完封負けを喫したものの、コーラ監督は「今日は今までで最もいいスプリットだった。見ていて楽しかった」と、沢村の期待通りの投球に満足そうだった。

念願の初登板に、周囲への感謝も忘れなかった。「この地、この国で、フェンウェイのマウンドに立つことができたのは、監督やコーチ、スタッフのおかげ。家族や仲間の後押しがあって、ここで勝負できているので感謝しています」。今後は、主に勝ちパターンで起用される見込み。スタートラインに立った沢村は、好発進後、あらためて表情を引き締めるように言った。