【ニューヨーク29日(日本時間6月30日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、3戦連発&2打席連発の1試合2発をマークし、本塁打数でメジャー単独トップに立った。ヤンキース戦に「2番DH」で出場し、3回の第2打席で27号ソロ、5回の第3打席で28号2ランを放った。月間13発は07年7月のヤンキース松井秀喜に並ぶ日本人選手最多タイ。30日(同7月1日)は今季12度目の先発マウンドに上がり、記録ラッシュに期待がかかる。

   ◇   ◇   ◇

もう皆、笑顔が止まらない! 5回無死一塁、大谷は右腕タイヨンの内角高め直球を初球から2球、空振りした。だが、今年の大谷に一辺倒の攻めは効かない。5球目、94・7マイル(約152キロ)の内角高め直球をガツン。角度18度の弾丸ライナーで打ち返した。右翼の狭さと低いフェンスが特徴的なヤンキースタジアムならではの1発は、この日2本目の28号2ラン。ホームを踏み、おどけたような満面の笑みを浮かべ、ベンチで仲間の祝福を受けた。

1発目も“ならでは弾”だった。3回1死、カウント3-1から外角低めのチェンジアップをすくい上げたようなスイングで右越えに運んだ。下半身で粘れば、飛距離が出る。ライナーでも、崩されても本塁打。2本とも今季の大谷を象徴する打撃だった。連日、エンジン全開の活躍に同僚イグレシアスが肩もみでいたわれば、マドン監督は「どれだけ彼が楽しんでいることか。野球を楽しんでプレーしているのを見て、私も楽しい」と酔いしれた。

驚異的なパフォーマンスに、もはや相手投手も笑うしかない。2打席連続アーチ後の第4打席、2番手の左腕コルテスはクイック投法やスローモーション、サイドスローなどあの手この手を使った。大谷は4球目のカーブにタイミングを崩されて中飛に倒れたが、白い歯を見せながらベンチへ戻った。打球が上がると一斉に歓声が上がり、ヤンキースタジアムは敵選手の本塁打を期待するような異様な雰囲気に包まれた。

打者で笑顔満載の大谷劇場を披露した後は、投手大谷の出番だ。今季4勝目を目指し、カード3戦目の先発に臨む。本塁打数トップでの先発は1921年、当時ヤンキースに在籍していたベーブ・ルース以来で、大谷自身は4月26日のレンジャーズ戦以来、今季2度目。投打同時出場のリアル二刀流で出場する予定で、日本人初の4戦連発、日本人&球団の月間最多本塁打の更新に期待がかかる。予感たっぷり、お楽しみの二刀流ショータイムは見逃せない。

【大谷の本塁打データ】はコチラ―>

 

▽日本ハム栗山監督 本当に普通。まあでも、ヤンキースタジアムで…何かあるんだろうな。(相手投手の変則モーションも)見てた、見てた。うれしいだろ。あそこまでやってくれると。

▽楽天石井GM兼監督 打球速度が激しいですね。難しいボールも打っているし、あまり角度がなくてもホームランが打てる。ホームラン競争が楽しみですね。