エンゼルス大谷翔平投手(27)が試合前、二刀流で完走した21年シーズンを振り返った。投手では9勝2敗、防御率3・18、打者では試合前の時点で打率2割5分7厘、45本塁打、99打点の結果だった。

今季は登板日に投打で同時出場するリアル二刀流にも挑戦し、登板前後はほぼ休みなくフル出場した。驚異的なパフォーマンスを見せた今季を振り返った大谷の一問一答は以下の通り。

--歴史的なシーズンを過ごした。ゆっくり振り返る時間はあったか

ゆっくり振り返る時間はなかったですね。出続けてはいたので毎試合、毎試合ベストな状態で試合に出たいなとは思っていました。

--米国でも二刀流に挑戦したい気持ちでやって来た。期待通りだったか

期待通りであったかは、ファンの人とか、監督、コーチが決めるのかなと思うんですけど、1年間大きなケガなく出続けられたのは良かったと思います。逆に言えば、もっと早い段階で、こういう形を作らなきゃいけなかったですし。ケガとかもありましたし、そういう意味では今年1年間ケガなくできて良かった。

--今季、疲れがたまっている時期はあったか

そういう風に感じる時期はあんまりなかったかなと思います。同じような感じでずっと出てはいたので、リズム同じでずっとこれたかなと思います。

--なぜ4年目でこれだけ活躍できたか

手術をして、リハビリもいろいろな人に助けてもらってやれたっていうのは大きかった。環境が変化する中で1年目からケガをするのは左右できないことではありますけど。今年は特に大きい離脱をしないようにリカバリーの方をメインにシーズンを通してやってきたかなという印象です。

--けがなく、過ごせた要因は

もちろん慣れの部分もあると思いますし、3年間やってきて、どういう風に1年間やればいいのかな、っていうのを知れたっていうのはすごく大きかったと思います。

--今年のように毎日プレーすることを、今後も続けられる自信は

やったことがないので、確信めいたものはもちろんないですけど、それはもうみんな同じだと思うので、野手もピッチャーも、どのぐらい後、続けられるのかなっていう予想でしかないですけど、1年1年、長く出来るようにみんな必死にトレーニングしたりとか、ケアしたりとか、そこはもう、他の選手と変わらないかなと思ってます。

--シーズン最終戦の登板回避の決断について

いろいろな人と話して。もちろんポストシーズンかかってたりとか、その先のシーズンがある中でもちろん投げなきゃいけない試合たくさんあると思いますけど。その中で監督もそうですしフロントの人もそうですし、いろいろな人と話して、それがベストではないかなという判断でした。

--10勝という数字もある中で、回避を決める中で何を一番と考えたか

投げる、投げない、どっちが一番、自分にとって、チームにとってもそうですけど、いいのかなというところですかね。トータルで考えて、みんな、投げない方がいいという選択の方がいいんじゃいないかっていう結果になったという感じかなと思います。

--来年はもっと投げられそうか。守備は

基本的には任せてはいるので、どうなるか、ちょっと今の段階ではまだわからないですし、(登板)間隔を短くしたりとか、長くしたりとかっていうのは、基本的には任せているので、自分が安定した成績を出せれば、いろんな起用法が広がっていくんじゃないかなとは思ってます。

-投手では6月30日のヤンキース戦登板がターニングポイントになったと言っていたが、なぜ

やっぱり打たれないと変えようと思わなかったりとか、感覚が悪くても、抑えられてしまっている状態だとあまり変えづらかったりするので、そういう意味ではいい、変えるきっかけになったというか、この間のアストロズ戦もそうでしたけど、そういうきっかけになる試合かなと思います。

--登板前後の出場。シーズン通して考えた時に、負担や影響はあったか

そんなになかったですかね。負担になってるのはもちろんないですし、試合に出続けるにあたって、他のトレーニングだったり、練習の内容だったり、そういうところで調整してっていう感じなので。あんまり、1年間通して投げた翌日だから、前日だからっていうのはなかったと思います。

--契約延長の話が来たら応じるのか

もちろんこの4年間、一番近くで支えてもらった球団ではあるので、オープンな気持ちでもちろん話すと思いますし、契約の話がある、ないにかかわらず、まずは来年、勝てるように個人としても、もう1回、しっかりオフシーズン過ごしたいなと思ってます。

--エンゼルスのオフの動きはどの程度気にするのか。それは契約延長の話に影響するか

どうですかね。基本的には今いるメンバーがまず、ケガをせずしっかり、自分を含めて1年間やるっていうのが大前提なので、そのためのオフシーズンを過ごしたいなと思ってるので、その中でいろんな補強があると思うんですけど、楽しみにというか、来年1年、どういう選手と出来るのかな、というのも楽しみにしてます。

--ホームラン争いを意識しないともったいないと話していた。追われる展開と追う展開、両方経験して得たもの、課題は

単純に貴重な経験をさせてもらってるな、という印象かなと思います。そういう風にいろんな選手から刺激をもらって1年間、いいシーズンを過ごせたっていうのは選手としていい経験になったなと思ってます。

--MVP争い。ここまで来たら取りたいなど、率直に感じてることは

率直に感じてるのは今日、最後までいいパフォーマンスをして終わるっていうところなので、そうすれば自ずと見えてくるものはあるのかなと思ってます。

--ごみ拾いや、グラウンド上での振る舞いに反響があった。そういう反応をどういう風に感じていた

特にはないですかね。ベンチの中だったりとか、危なかったりするので、比較的、階段で転んだりする人もやっぱりいますし、そういう小さい、つまらないケガというか、そういうのはやっぱり、自分もそうですけど、周りの人にはして欲しくないなと思ってます。

--1年間プレーして精神的にしんどかったことは

後半戦はやっぱりチームとしても上がってこなかったですし、先の見えない試合が多かったので、そういう意味では後半戦はなかなかきつかったかなと思います。

--過去と比べ密度が濃かった二刀流。満足感は

より多く試合に出られたというのは単純に楽しかったですし、それだけ試合に貢献できる頻度が高いということは選手としてもやりがいがあると思うので、そうですね、すごい楽しい1年だったかなと思います。