ポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指す広島鈴木誠也外野手(27)の代理人を務める代理人事務所「ワッサーマン・グループ」のジョエル・ウルフ氏が28日(日本時間29日)、オンライン取材に応じ、交渉経過について語った。

現時点でコンタクトを取っているチーム数を「8~15球団」としたうえで、ポスティング公示後、各球団とのオンライン交渉には、鈴木誠のほか、愛理夫人も参加していることを明かした。

昨季、パドレスのダルビッシュ、ツインズ前田がサイ・ヤング賞の次点となり、今季はエンゼルス大谷がMVPを獲得。「NPBへの注目度も上がっており、誠也にはいいこと」と話したうえで、「三振より四球が多い。本当の5ツール(すべてを兼ね備えた)プレーヤー。WBCや五輪と国際舞台の経験もある」と自信をのぞかせた。

現時点でポスティングの交渉期限は米東部時間12月22日午後5時(同23日午前7時)だが、現在、オーナー側と選手会が新労使協定を巡って折衝中。米東部時間12月1日午後11時59分までに妥結しない場合、オーナー側がロックアウト(機能停止)に踏み切ることが確実視されており、その場合、鈴木誠の移籍交渉も中断する。日数としては、中断期間は換算されず、計30日が保証されているものの、新協定が締結しない限り、交渉は再開できないため、年明け以降にずれ込む可能性もある。

それでも、ウルフ氏は「急がせるつもりはない。彼は野球に集中するためにも、金銭面以上に、安全に暮らせる街を望んでいる。実際に米国へ来て、キャンプ施設や本拠地を視察することになるだろう」と、今後の見込みについて語った。また、鈴木誠は「勝てる球団」を希望に挙げており、今季、ポストシーズン争いを繰り広げたマリナーズ、パドレス、レンジャーズ、レイズのほか、再建に力を入れるカブスなどを軸に、争奪戦が進むことになりそうだ。