【アナハイム(米カリフォルニア州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】ドジャース佐々木朗希投手(24)が、泥沼エンゼルスを相手に今季ベストピッチングで圧倒した。メジャー2年目、16度目の先発で初めて7回を投げきり、渡米後で自己最多8奪三振をマーク。最速97・9マイル(約157・5キロ)と抑えめも、球速とコントロール重視のスプリットと落差重視のフォークの2種類を投げ分けた。「1番DH」で出場した大谷翔平投手(31)は3安打を放ち、「ショウヘイ・オオタニデー」に躍動。完全復調へと大きく前進した。
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佐々木は投げっぷりも、内面も変わっていた。100マイル(約161キロ)前後のすさまじい速球と落差のあるフォークのコンビネーションで打ち取る旧来型から“脱皮”したようにも思える。メジャーで勝ち続けるには何が必要か-。
「真っすぐの強さ自体はもう少し欲しいですけど、変化球も前回より良かったので。目の前の試合と、長期的に見てしっかり安定した真っすぐが投げられるように練習していきたい」
この日のフォーシームの平均球速は96・6マイル(約155キロ)と控えめで、強く打ち返されることもあった。だが、今の佐々木は90マイル(約145キロ)前後と速く落差を抑えたスプリットと、球速が遅く落差を重視したフォークの2種類が操れる。スライダーの制球も安定し始めたが、「フォークと真っすぐが基本的に軸なので、そこがある程度安定してくれたら試合がつくれるくらいにはなるのかなと。ほかの変化球が増えてきたとしても軸になることは変わりない」。自らの投球スタイルを“バージョンアップ”させ、チームに貢献できる投球術を身につけた。
心の変化も見え始めた。登板間の調整で、投手コーチ陣らと入念に話し合い、技術の改善に努める姿がフィールド上で目立つようになった。この日の試合前、ロバーツ監督は「より(精神的に)オープンになった。彼の方から会話を始めるようになったし、コーチの意見にも耳を傾けるようになった。いい方向に進み、今年は本当に関係性が良くなっている」と証言。一方で佐々木自身も「話す内容も、お互い何を求めているかとかも分かってくるので、その中でちゃんとコミュニケーションが取れてきている」と語った。
試合後の囲み取材では、感情を読み取れることが多くなった。球場で7回裏に流れる「TAKE ME TO THE BALLGAME(私を野球場に連れてって)」のリズミカルなミュージック。「初めて『野球場に行こう』の英語版をマウンドで聞きました」と7回を投げきったことに、半ば自虐的なスマイルを見せた。コミュニケーションがスムーズになったことは、英語の上達も意味する。ただ、本人は「してないです」とニヤリ。勉強の仕方を問われ「何も勉強してないです」と、立て続けに笑った。7回91球でまとめ、ストライク先行で圧倒した効率的なピッチング。技術もメンタル面も徐々に成長し、気持ちよく腕を振った。
◆ドジャースの先発事情 開幕時は6人のローテで回していたが、グラスノーが8日(日本時間9日)に腰のけいれんのため負傷者リスト(IL)入り。復帰したばかりのスネルは19日(同20日)に左ひじ遊離軟骨除去手術を受けることが決まった。現時点の先発ローテは大谷、山本、佐々木、ロブレスキ、シーハン。チームはこの日、先発経験も豊富な左腕のエリク・ラウアー投手(30)をブルージェイズから金銭トレードで獲得した。
◆佐々木この日の8奪三振
1個目 初回1死二塁(打者3番シャヌエル)カウント2-2から外角低め86・6マイル(約139キロ)フォークで空振り三振
2個目 2回無死 (打者5番モンカダ)カウント1-2から真ん中低め87・5マイル(約141キロ)スプリットで空振り三振
3個目 2回1死 (打者6番アデル)2ストライクから真ん中高め85マイル(約137キロ)スライダーで空振り三振
4個目 3回無死 (打者8番オハピー)カウント2-2から外角低め85・9マイル(約138キロ)スライダーで空振り三振
5個目 3回1死 (打者9番フレージャー)カウント1-2から真ん中低め90・8マイル(約146キロ)スプリットで空振り三振
6個目 4回1死二塁 (打者4番ソレア)カウント2-2から真ん中低め86マイル(約138キロ)スライダーで空振り三振
7個目 5回2死(打者9番フレージャー)2ストライクから外角低め96・9マイル(約156キロ)直球で空振り三振
8個目 6回無死(打者1番ネト)カウント1-2から外角低め96・6マイル(約155キロ)直球で見逃し三振



